「ナス、トマト、ピーマンの黒酢炒め」底のスープも有効活用

コクハク編集部
更新日:2021-06-24 06:00
投稿日:2021-06-24 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・池袋の中国西北家庭料理店「沙漠之月」の英英さんに、具材のエキスがジュワッと広がる「ナス、トマト、ピーマンの黒酢炒め」のレシピを教えていただきました。

エキスがにじみ出た「スープ」が底に

 紫、赤、緑の夏野菜3種は彩り鮮やか。軟らかなナスを噛み締めると、黒酢と醤油、トマトのエキスがジュワッと口の中に広がって。カリッとした食感のピーマンがさわやかなアクセントになっています。

「私の故郷・張掖では、ピリ辛で酸味があり、程よい山椒のしびれを感じる料理が好まれています。辛すぎず、酸っぱすぎずが主流ですから、日本人も無理なく食べられると思います」

 なかなか、濃いめの味わいなだけに、ビールやチューハイで流し込むのもいいですが、紹興酒でチビチビと合わせるのも悪くはありません。少し深めの皿に盛ると、エキスがにじみ出た「スープ」が底にたまっています。これを捨てるのはもったいない。どうすればいいの?

「張掖では、“暇”さえあれば手延べの麺を作っていました。皆、麺が好きなんです。余ったスープには麺を絡めてみて下さい。軽くゆでたそうめんがピッタリです」

 そうめんのみならず、冷や麦や細めのうどんもいい感じ。おつまみから「シメ」の役割までこなせる一品です。

材料

・ナス 1本
・トマト 1個
・辛くない青唐辛子orピーマン 2個
・ニンニク 2かけ
・長ネギ、ショウガ、塩、粉山椒、醤油、黒酢、サラダ油 各少々

レシピ

(1)ナス、トマト、青唐辛子(ピーマン)を食べやすいサイズに乱切り。切ったナスは水にさらす
(2)長ネギ、ショウガ、ニンニクをみじん切り
(3)適量のサラダ油を張った鍋を熱し、2とナスを投入。1分ほど炒める
(4)トマトと青唐辛子を鍋に加え、塩、粉山椒、醤油、黒酢を入れ味を調整
(5)ナスが軟らかくなったら、皿に盛って完成

本日のダンツマ達人…英英さん

▽英英(いん・いん)
 1975年、中国甘粛省張掖市出身。日本人男性と結婚後、97年に来日。2000年からは、中国に戻って甘粛省敦煌市でカフェを6年間経営。12年に東京・池袋で「沙漠之月」をオープンした。

▽沙漠之月
 JR池袋駅から徒歩約10分。駅東口の繁華街から離れた大通り沿いの雑居ビル3階に入居する同店は、カウンター5席とこぢんまりしている。日本では珍しい甘粛省料理を楽しめる。餃子に麺、肉や野菜とメニューは多彩。ビールに紹興酒、白酒、日本酒も用意している。流暢な日本語を操る英さんのトークは軽妙で、客の好みに合わせた料理を提供してくれる。知る人ぞ知る名店だ。東京都豊島区東池袋2―63―15 3F。

(日刊ゲンダイ2021年6月17日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「ガーリックライス」最後に特性ソースでジュジュジューッと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、横浜・天王町「ステーキクラブ『18』」の店長・...
「チキングリル」面倒でも料理酒か白ワインで蒸すのが大事!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、横浜・天王町「ステーキクラブ『18』」の店長・...
サシがとろり「リブステーキ」 焼く前に常温で20〜30分置く
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、横浜・天王町「ステーキクラブ『18』」の店長・...
ひき肉だけで作る「つなぎなしハンバーグ」 ソースが絶妙!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、横浜・天王町「ステーキクラブ『18』」の店長・...
「柴漬けアーリオ・オーリオ」ワインに合う人気賄いメニュー
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
自家製「鶏ハム」超簡単なのにしっとり&うま味じんわり!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「タコとオクラのマリネ」イタリア魚醤で味の輪郭くっきり
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「きゅうりのバルサミコ酢マリネ」うま味と歯ごたえが絶品!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「ピーマンとツナのサラダ」ピーマンのしんなり加減はお好みで
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「イチジクのコンポート」コツはイチジクの赤さを残すこと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
「あん肝の奈良漬け添え」まるでムース…奈良漬と相性抜群!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
うま味が濃厚!「煮帆立」帆立てとはまぐりのマリアージュ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
秋を先取り! 生落花生のおいしい食べ方♡ 2021.9.2(木)
 まだまだ暑い日が続きますが、無人販売所には少しずつ秋の気配が。  8月下旬から旬を迎える「生落花生」が並ぶように...
江戸前寿司の象徴「煮はまぐり」 余熱でふんわり軟らかく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
「長芋すりおろしゼリー」トロッとした食感にアサリのうま味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
やめられない止まらない「ガーリックチーズペッパーナッツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...