花山椒が香る「牡蠣のアチャール」燗酒との“危険なカップル”

コクハク編集部
更新日:2021-07-21 06:00
投稿日:2021-07-21 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、横浜・関内の「Spice Drunker やぶや」の藪晋伍さんに、燗酒との相性がバツグンな「牡蠣のアチャール」のレシピを教えていただきました。

鋭い味を「玉川にごり酒」が受け止める

 料理はコース一本。藪さんがそれぞれの皿に合う日本酒を選び、自らお燗して出す。燗酒の温度もさまざま、酒器もさまざま。

 そんな藪さんが“師匠”と呼ぶのが、2020年春に閉店した渋谷・神泉の燗酒専門店「燗酒BAR Gats」のマサさん。

「マサさんの燗酒を初めて飲んだ時、これこそがペアリングだと、衝撃を受けたんです」

 今まで自分が扱っていたお酒は、料理と“手をつないでいる”程度の関係。しかし日本酒、それも燗酒とは、「抱き合っている」くらい、料理との相性がいいと感じました。

 牡蠣のアチャールは花山椒オイルが効いた鋭い味だが、「玉川にごり酒」(木下酒造)の燗酒がしっかり受け止めてくれます。牡蠣を食べ、燗酒をふくむと、「あぁ、牡蠣をもう一口」と思う。危険な“カップル”です。

材料

・牡蠣  300グラム
・サラダ油  50ミリリットル
・ゴマ油   50ミリリットル
・花山椒オイル(あればでいいが、ぜひ用意してほしい) 20ミリリットル
・純米酒 100ミリリットル
・レモン汁 30ミリリットル
・花椒(ホール) 小さじ2
・鷹の爪 4本
・カレー粉 小さじ2
・唐辛子粉 大さじ1
・花山椒パウダー 小さじ1
・おろしショウガ 小さじ1・5
・おろしニンニク 小さじ1・5
・塩 小さじ1

レシピ

(1)サラダ油とゴマ油を強火で熱し、温まったら鷹の爪を入れ、黒くなってきたら花椒(ホール)を入れ、すぐにおろしショウガ、おろしニンニクを入れる
(2)弱火にし、ニンニクのツンとした香りが飛んだら、中火にし牡蠣を入れ炒める
(3)牡蠣に火が入ったらカレー粉、唐辛子粉、塩を入れ炒める
(4)油が分離したら、純米酒を入れしばし煮込む
(5)煮詰まって軽くトロミが出てきたらレモン汁、花山椒パウダー、花山椒オイル(あれば)を入れ、火を止め混ぜ合わせる
(6)ボウルに移し、氷水で急冷し保存する

本日のダンツマ達人…藪晋伍さん

▽藪晋伍(やぶ・しんご)
 大阪府生まれ。プロボクサー時代、「減量にいいかな」と思って働いた薬膳料理屋がスリランカ人だらけ。彼らが作る料理を食べ、スパイスの世界にハマった。南インド料理屋「エリックサウス」で料理を学び、本場パキスタン料理店の集まる、埼玉・八潮の人気店「カラチの空」で日本人として初めて厨房へ入り修業を積んだ。

▽Spice Drunker やぶや
 2018年に浅草で間借り営業を開始。瞬く間に人気店となったが、当初の予定通り約5カ月で閉め、料理のブラッシュアップと経営の勉強に費やした。満を持して今年1月30日オープン。完全予約制で、スパイス料理と日本酒(燗酒)のペアリングコース税抜き8000円(ノンアルペアリング、または日本酒とノンアルの行ったり来たりもOK)のみ。神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1―3―7 沼田ビル3階。※予約はFacebookのDMで。

(日刊ゲンダイ2021年7月14日付記事を再編集)

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