甘くて香ばしい「海老芋の唐揚げ」思わず笑みがこぼれます

コクハク編集部
更新日:2021-09-30 06:00
投稿日:2021-09-30 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さんに、「海老芋の唐揚げ」のレシピを教えていただきました。

茹でたときのアクを少なくするには?

 いまはなき「京味」は比類なき日本料理店として知られ、政治家や財界人、文化人らがその味を求めて足しげく通っていました。そんな最高峰の和食店で研鑽を積んだ田中さんに料理の話を聞いていると、素材に対する敬意と愛情が伝わってきます。

「素材のうま味をダイレクトに、余計なモノを究極に取り払って、素材のうま味を楽しんでもらう。それも料理の醍醐味ですね」

 秋から冬にかけて旬を迎える海老芋の唐揚げは、その最たるもの。

 鳥田中では名産地である大阪の富田林はじめ、仕入れによって京都、磐田、筑波、徳島などの品を使っているそうですが、最近はスーパーなどでも手に入るようになったので、家庭でも食べられるようになりました。

 ただし、茹でると出るアクがくせもの。これは少量の米粒または米のとぎ汁と一緒に茹でると少なくなるそうです。

 ひと口頬張れば、ほっくりと炊き上がった海老芋の甘味に、カリッとした香ばしさを感じられる醤油のアクセント。思わず笑みがこぼれてしまいます。

材料

・海老芋 大1個
(正味300グラム目安。小ぶりの海老芋でも代用可)
・片栗粉 適量
・おいしい塩 ごく少々
・シシトウ

【A】
・鰹だし(顆粒だしで代用可) 600㏄
・濃い口醤油 25㏄
・薄口醤油 25㏄
・みりん 50㏄
・日本酒 20㏄
・上白糖 20グラム

レシピ

(1)海老芋は厚めに皮をむき、たっぷりの湯で竹串がスッと通るぐらい軟らかくなるまで茹でる
(2)茹で上がったらさっと水洗いし、2~3等分に切る。鍋に入れ【A】の汁で炊く。沸騰したら弱火にし、汁が2割程度煮詰まるぐらいまで
(3)片栗粉を付け、170~175度の揚げ油(分量外)で40秒~1分程度揚げる
(4)器に盛り、素揚げして軽く塩を振ったシシトウを添えて出来上がり

本日のダンツマ達人…田中惣一郎さん

▽田中惣一郎(たなか・そういちろう)
 1962年、東京生まれ。高校卒業後、東京の下町で料理人としての修業を始める。23歳の時、新橋「京味」へ。ふぐ調理師職人として板場に立ち、故・西健一郎氏から仕事を学ぶ。37歳で独立し恵比寿に「和食 ごっ惣」を開店、2017年に現在の地で、京都の地鶏と野菜を中心としたおまかせのコース料理屋「鳥田中」をオープンさせた。

▽鳥田中(とりたなか)
 京味の技法を生かしながら、西氏から常日頃聞かされていた「素材の持つ味を大切に」を実践する予約困難の超人気店。できるだけ邪魔せず、できるだけ丁寧に、「選んだ素材の良さをお客さまへと伝えたい」と、優しい味わいの料理を提供している。コロナ禍で予約販売した「地鶏焼鳥弁当」も即完売。妥協しない味と芸術的な美しさで客を魅了した。東京都墨田区墨田3―25―7。

(日刊ゲンダイ2021年9月23日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


職人の知恵! 市販の塩昆布で作る「白身魚の塩昆布和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「マグロの漬け」程よく漬かって新鮮味も失わないコツは?
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
ポリッと「キュウリのポン酢漬け」 夏だからこそおいしい!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
ネギトロと納豆と…「ばくだん」はトッピング次第で十人十色
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「イクラと明太子の真砂和え」意外にも“魚卵×魚卵”が合う!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「鶏の半身揚げ」低温調理でウマ味をギュッ!と閉じ込める
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
「サバ缶の味噌マヨグラタン」トースターで驚きの完成度!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
テッパン「夏アイス」5選! 2021.8.5(木)
 毎日うだるような暑さが続いてますが、夏バテしていませんか? 筆者は、もしクーラーのない時代に生まれていたら、ソッコー夏...
「水ダコの和風カルパッチョ」薬味たっぷりサラダ感覚で!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
最旨っ!ペヤング「獄激辛にんにく」実食 2021.8.3(火)
 まるか食品の「ペヤング獄激辛シリーズ」に新しい仲間が加わりました。その名も「獄激辛にんにくやきそば」! 夏だからね、に...
「アボカドの卵黄づけ」だし醤油に15分漬けて卵を落とすだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
「水なすのみょうが味噌かけ」味噌と砂糖のバランスがカギ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「鰹のミルフィーユ」10分漬け込むだけで濃厚な味わいに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「しらすと数の子の梅びしお和え」ご飯にもパスタに和えても
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「蒸し寿司の餡かけ」そばつゆの甘い餡としゃりの酸味が絶妙
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「牧場の朝×Kiri」で簡単レアチーが! 2021.7.26(月)
 TikTokで流行中の「ヨーグルトレアチーズケーキ」に挑戦してみました! ヨーグルトの中にチーズを入れて混ぜるだけなの...