「マグロとアボカドの磯辺和え」3つの工夫で極上のウマ味

コクハク編集部
更新日:2022-01-17 06:00
投稿日:2022-01-17 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂にある「多に川」の大森雄哉さんに「マグロとアボカドの磯辺和え」のレシピを教えていただきました。

ハワイ料理の定番に一工夫

 マグロとアボカドの組み合わせは、ハワイ料理の定番。今や和食にも定着しつつある。そこは一工夫で漬けにする。

「漬けダレは、正直、醤油だけでいい」

 醤油風味をまとったマグロの食感から、漬け時間は醤油にサッとくぐらせる程度。それでいて、醤油に甘味を感じるのは?

「黄身醤油です。卵黄と醤油を同量で合わせたものをタレとして器の底に敷いています」

 なるほど、通常は、酒とみりんのアルコール分を飛ばして漬けダレに甘味をプラスするが、その手間をパスしながら、卵黄が甘味を補っているのだ。しかも、サッとでもマグロを漬けにすることでウマ味が増し、アボカドとのウマ味合戦が、より面白くなる。漬けと黄身醤油。定番食材を引き立てる2つの工夫が生きている。

「残った黄身醤油は、ほかの刺し身や納豆のタレに使うといい」

 翌朝、黄身醤油で納豆をいただくと、うまいこと、うまいこと。

 で、3つ目の仕掛けがノリだろう。とにかく、パリッとしたものを使うことに尽きる。3つの手間で、風味が何倍にも膨らみ、ありふれたツマミが極上に。阿部さんの5品の中で最も簡単な一皿ながら、箸が止まらなくなること請け合いだ。

【材料】

・マグロ 100グラム
・アボカド 1個100グラム
・卵黄 少々
・醤油 少々
・わさび 適量
・ノリ 適量

【レシピ】

(1)マグロをサッと醤油にさらしたら、サイコロ状に切る。
(2)①と一緒にサイコロ状に切ったアボカドを器に盛る。
(3)黄身と醤油を同量ずつ混ぜて黄身醤油を用意したら、②に少量回しかける。
(4)ノリを振って、わさびを添えたら出来上がり。

本日のダンツマ達人…阿部学さん

▽あべ・まなぶ

 料亭わらびの里、料亭金田中などで修業した後、多に川へ。だしをベースにした和食の王道を守りつつも、ちょっとした変化を加えてファンを魅了する。

▽多に川

 薩摩おごじょがもてなす和食店。路地裏の雑居ビルにある隠れ家的なたたずまいで、夜はおまかせコースのみ。カウンター7席と4人掛けのテーブル2つながら、落ち着いて食事ができると評判に。

東京都港区赤坂2―7―5赤坂ブライトビル1階
℡03・3568・2488

(日刊ゲンダイ2019年1月11日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「レタスの熱油かけ」いつものレタスが贅沢なおつまみに変身
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
本場では冬の食べ物でも…日本では夏に最適な「和風冷麺」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...
「アサリと夏野菜のコリアンダー蒸し」シンプルだけど美味!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・水天宮のワイン酒場「富士屋本店 日本橋浜町...
「カツオチーズ」オリーブオイルは魚の生臭さを消す秘訣!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
無限に食べられる! 暑さで疲れた胃にも優しい「茗荷胡瓜」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の割烹「銀座魚勝」の柳橋克彦さんに、サ...
「トウモロコシのフリット」サクサクの衣の秘密はビール?
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「焼きナスのナムル」素材の味を生かして薬念の思想を味わう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...
ワインに合う「キュウリの一本漬け味噌クリームマヨネーズ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・水天宮のワイン酒場「富士屋本店 日本橋浜町...
「土佐巻」生ニンニクとゆずの風味がクセになる高知の漁師飯
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
在宅ワークごはんを応援#2 鮪とアボカドのアヒポキプレート
 前回の記事では在宅ワークごはんシリーズの「丼もの編」ということで、プルコギ丼をご紹介しました。作ったよ~というお声もた...
ぐっち夫婦 2020-06-22 14:25 フード
豚バラ肉がジューシーで軟らかい!「豚焼きしゃぶ」のコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の割烹「銀座魚勝」の柳橋克彦さんに、ボ...
「とり胸肉の低温調理サラダ」ダイエット中でもこれならOK!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフランス料理店「サロン・ド・テ アン...
「さくらんぼのブルスケッタ」甘味と塩加減がいいあんばい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「鯛そうめん」家庭の残りものが立派なおつまみに大変身!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は広島市・鷹野橋駅の鉄板料理店「こぱん亭」の鬼頭典...
「豚肩ロースロティ~白インゲン豆トマト煮」お酢でさっぱり
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・荻窪のフレンチ「Petit」の千葉良太さん...
生のピーマンを冷やすだけ!甘味に驚く「夏野菜のサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の小料理屋「きになる嫁デラックス」の...