更新日:2022-07-03 19:51
投稿日:2022-04-19 06:00
人の性(さが)というものは…
普通であればここから親権を得るため、また慰謝料を請求するため、興信所などに相談し、確固たる証拠を集めるものなのかもしれません。
しかし自分の薄氷のような心では、とてもではありませんが、これ以上残酷な現実を突きつけられることに耐え切れそうもありませんでした。
1日間(ま)を置いた日曜日の夜、娘が寝た後、「少し話がある」と妻をテーブルに座らせました。
「何か隠していることない?」
僕の問いに、しらばっくれる妻。幾度か同じようなやり取りをした後ーー。
「ごめん、携帯、見てん」
その言葉を聞いた妻は、驚いたような、それでいて何かを悟ったかのような、そんな表情を見せたのでした。
負い目もある…一度は妻の過ちを許した
全てを察した彼女は、その後ゆっくりと話し出しました。娘が生まれてから夫婦生活がレスになり悩んでいたこと、引っ込み思案な性格から言い出せなかったこと、そんな時会社の同僚に声を掛けられ相談していくうち、つい魔が差してしまったこと、だけどやっぱり家族が一番大事だからやり直させて欲しいと思っていることーー。
(一度ぐらいの過ちは、誰にでもあるもの)
そう考えていたので、はなから彼女と離婚する気はありませんでした。もちろん、『彼女自身がやり直す気でいるのなら』という前提で。
二度と同じ過ちを繰り返さない約束のはずが…
子供のことや、僕自身レスであったことに対する負い目もあったのでしょう。彼女の口から謝罪の言葉を聞き、二度と同じ過ちを繰り返さないことを条件に、今回のことをきれいさっぱり水に流したのでした。
しかしこの約束は、いとも簡単に破られることになります。半年後、結局彼女は同じ人物と再び過ちを犯すのでした。
次回へ続きます。
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