オートファジーダイエットって?16時間の“軽い断食”を成功させるには

コクハク編集部
更新日:2023-02-09 06:00
投稿日:2023-02-09 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 今までのダイエットじゃ痩せない…更年期太りの実態!

「20代30代のころみたいにダイエットしても痩せなくなってきました」

 今日は、ダイエットの成果がなかなかみられないという、少しぽっちゃり体型のめぐみさん(45歳女性・仮名)からの相談です。

「久しぶりに学生時代のみんなで集まろうって話になったので、あわててダイエットを始めたんです。ところが、なにをやっても痩せなくて」

 更年期に入ると体型が変わり、太りやすくなったと感じる女性は多いようです。めぐみさんもそのひとり。

「知ってます? このトシになると、水を飲んだだけでも太るんです!」

「あらま、そんなことあるわけないじゃないの」

 めぐみさんの発言に、さすがのえりのボスも驚きです。これは放ってはおけません!

2. 更年期太りにはオートファジーダイエットがおすすめ

「ところでめぐみさん、最近お通じはどう?」

「え? 便秘しやすくなりました……。なにか関係あるんですか?」

 突然、えりのボスの顔がぐいっと近づいたので、めぐみさんは思わず身構えてしまいました。

「ふむ、お肌も荒れてるわね。『オートファジーダイエット』って聞いたことある?」

「最近、雑誌やネットでよくみかけますね?」

 本題に入ったと察し、ホッとした様子のめぐみさんをちらりと見ると、えりのボスは優しくほほえみました。

更年期に太りやすくなったという人には、とくにおすすめのダイエット法よ」

 めぐみさんの顔が一瞬で明るくなります。

「詳しく教えてください!」

 更年期太りの原因のひとつに自律神経の乱れがあります。

 更年期は、腸の動きをコントロールしている自律神経が乱れやすくなり、腸内の消化や排泄が正常に機能しにくくなることで、腸内環境が悪化してしまいます。

 バランスがくずれ、汚れた腸内環境では全身の代謝もうまく行われません。腸から肝臓に向かう血液も汚れてしまうので、その解毒にエネルギーが費やされるために代謝が滞ってしまうからです。

 その結果、食べたものを脂肪としてからだにためこみやすくなり、太りやすいからだになってしまいます。さらに、腸内環境が悪いと食欲増進につながるともいわれています。

 更年期に太りやすくなる理由はほかにも、加齢そのものによる代謝機能の低下や、脂肪燃焼に関係する女性ホルモンの低下なども考えられます。

オートファジーダイエットで空腹時間に胃腸を休めて腸内を整えることで、更年期に低下しがちな代謝を促すの」

「どうして胃腸が休まると腸内環境がよくなるんですか?」

「胃腸は、毎回とる食事の消化に追われ続けると消化機能が疲弊して弱まってしまうことがあるの。消化機能が低下すると、食事に含まれる添加物や老廃物が腸内にたまってしまうのよ。そうなれば腸内環境が悪くなるのは想像できるでしょう」

「空腹時間に胃腸を休ませて消化機能を回復させれば、腸内環境が整います。キレイな血液であれば代謝もスムーズだから、脂肪をためこむことがないんですね!」

 その通り、とえりのボスはうなずきます。

「腸内がキレイだと、便秘解消にもなるしお肌にもいいわよ」

 先ほどのえりのボスの質問の意味がようやくここでわかりました。

 さらに、腸内環境が整うことのメリットはそれだけではありません。ダイエットに有効な善玉菌も豊富になるので、より痩せ体質が目指せるのです。

「それにオートファジーには、老化した細胞を若返らせて低下した基礎代謝を回復させる効果もあるの。だから年齢を重ねた更年期のダイエットには最適!」

「なるほど! メカニズムはよくわかりました。それで、どんなことをするんですか?」

16時間の軽い断食をするの」

「ええ、断食ですか? 16時間も? あの、つらいのはちょっと……」

 さっきまでキラキラ輝いていためぐみさんの顔が一気に曇ります。

「じゃあめぐみさん、今朝なに食べた?」

「え、今日は朝バタバタしてたので朝食をとる時間はありませんでした」

「昨日の夕飯は19時ごろかしら? 今は10時すぎだから……」

「あ! もうすぐで最後の食事から16時間です」

「ね、意外に簡単でしょう」

 えりのボスは小さくウインクしました。

「それに、断食時間外の8時間は基本的になにを食べてもいいの。難しいカロリー計算や食事の内容を考える煩わしさがないのも続けやすい理由ね」

 オートファジーダイエットでは、「空腹の16時間」をどの時間帯に調整してもいいとされています。

 就寝時間を断食時間に充てられるため、朝食べる習慣がない人や、夜寝る時間が早い人は比較的無理なく始められるでしょう。

 また、朝食を遅めに、夕食を早めにとれば、三食食べることも可能なので、断食に抵抗がある方でも気軽にチャレンジできます。

 自身の生活スタイルやストレスのかからない方法で計画を立てることができるのもメリットといえますね。

「ただし、断食中は水分補給を忘れずにね」

 えりのボスは、こうつけ加えます。

 オートファジーダイエット中は、新陳代謝が活発になることで、たまった老廃物がからだの外に排出されやすい状態に。老廃物が尿や汗として排出されると、水分が体内から失われやすくなるため、いつもより多めに摂らないと水分不足になりやすいのです。

 個人差はありますが、できれば「1日2Lの水分補給」を目安とし、こまめに水を飲みましょう。水分補給が多すぎても少なすぎても、貧血やめまいなどの体調不良を起こしてしまうので、自分に合った適度な量で水分補給をしてくださいね。

 ここで大切なのは、オートファジーダイエットでは空腹の我慢が目的ではないということ。胃腸や肝臓を休ませたり、血液の状態を改善させたり、細胞の生まれ変わりを促したりすることが目的なのです。

 そのため、食べない時間を無理なくつくることを心がけましょう。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


欧米ではメイクの定番!カラーマスカラの失敗しない選び方
 そろそろ本格的な冬に向けて、アイメイクを少し変えてみたいと思う女性も多くなる時期ですね。アイシャドウやチークはメイクの...
出先でブーツ蒸れに焦らない方法!ニオイ対策は足ケアから♪
 秋から冬にかけて、おしゃれにブーツを履きこなしている人も多いでしょう。ブーツは、寒い時期のファッションポイントにもなる...
雑誌付録をご紹介♡この冬注目の新しいコスメでモチベアップ
 マスクに顔が隠れる最近、美容熱が下がっている人も多いのではないでしょうか? それなら、雑誌の付録で新しいアイテムを試す...
ピーチジョンのボムバストクリームリッチで魅惑のバストに♡
 大きさ、形、ハリ……など、バストに悩みを抱えている人は意外と多いもの。しかし、この手の悩みは人に相談しづらいため、一人...
涙袋はメイクで簡単に作れる♡ 必要な道具&やり方を解説!
 愛され顔に欠かせない「涙袋」。あるかないかで、目の大きさや印象が大きく左右されるパーツですよね。実際に、女優さんやタレ...
頭皮が硬くなってない?老化を招く“頭皮疲れ”を回避するケア
 現代人はスマートフォンやパソコンなどの端末を毎日何時間も触っています。同じ姿勢や下を向いている状態、首が前に出た姿勢が...
ワントーンメイクでおしゃれ女子に♡ 一番似合うのは何色?
 おしゃれ女子の間で注目の「ワントーンメイク」。統一感が出て、一気におしゃれ上級者が目指す旬顔になることができるんです♡...
ホワイトラグジュアリープレミアムで本当に黒ずみケアできる?
 数ある黒ずみケア商品の中でも人気が高いのが、今回ご紹介する「ホワイトラグジュアリープレミアム」。3回目のリニューアルを...
悩み別!アイクリームの正しい選び方♡ 目元トラブルを解消
 目元のたるみや、なかなか消えないくまにお悩みではありませんか? そんな時におすすめのアイテムが、「アイクリーム」です♡...
栄養士直伝! 便秘,貧血,二日酔いにおすすめのスムージー3選
 野菜やフルーツを一度に多く摂取できるスムージーはビタミンやミネラルが豊富、且つヘルシーなので美容意識の高い女性から根強...
もうパンダ目にならない!原因やメイクのポイント&直し方♡
 朝、しっかりアイメイクをしたはずなのに、夕方鏡を見ると真っ黒のパンダ目になっていた……! そんな経験は、誰にでもあるで...
コレステロール対策に“ライスミルク”を♪栄養士が教える魅力
 ヘルシーかつアレルゲンフリー、コレステロールフリーと魅力的な要素をいくつも持つ「ライスミルク」。ビタミン・ミネラル・食...
愛され顔の作り方♡ まん丸おめめ&涙袋で可愛い印象に!
 TVや雑誌を見ていると、必ず出てくるおしゃれで綺麗な芸能人。そして、SNSには可愛いインフルエンサーが……。そんな毎日...
ティッシュ美容8選♪ メイク直しや美肌ケアに大活躍&裏技も
 私たちの身近な存在である「ティッシュ」。今、このティッシュがメイク直しや美肌ケアなどに使える美容アイテムだと、注目され...
自慢のメイクが“ブス見え”…やってしまいがちな原因&改善策
 自分を可愛く見せるためのメイクですが、やり方を間違えると老けて見えたり、ケバく見えたりと、「ブス見え」になってしまうこ...
クッションファンデの使い方4ステップ&メリットの活かし方
 ファンデーションにはさまざまな種類があるため、付け心地や使いやすさで選びたいですよね。以前までは、パウダータイプかリキ...