朝仕込んでおけば夜は焼くだけ「鶏モモ肉のソテー香草風味」

コクハク編集部
更新日:2019-06-14 06:00
投稿日:2019-06-14 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥールビヨン」の道野正さんにハーブが香ばしい「鶏モモ肉のソテー香草風味」のレシピを教えていただきました。

まるで本格的なメインディッシュ

「唐揚げはちょっとつらい」という時間帯に食べられる鶏料理。朝に仕込んで、夜に焼けばおいしく食べられる。ムネ肉よりモモ肉の方がオススメ。モモ肉は骨のないものを使います。 

「通常はエルブ・ド・プロヴァンスという乾燥スパイスのミックスを使います。ない場合にはタイム、セージ、ローズマリーの3種類がそろえば問題ありません。スーパーなどで小さな瓶詰で売っています」(道野さん)

 朝、鶏を包丁で切り、ボウルに白ワインとハーブ、塩と共に入れ、手でよく混ぜ、ラップをかけて冷蔵庫で保存しておけば、帰宅してフライパンで焼くだけ。この時、必ず皮の部分から焼くのがポイントです。できればフライ返しで上から押さえてください。そうすると表面がパリッと焼き上がります。熱々の鶏肉にレモンを搾って食べると、ハーブの香りが、鶏の印象を軽くしてくれます。サラダを添えれば、メインディッシュにも。

 ビールを飲んでから唐揚げを食べたくなっても、油で揚げないといけないし、揚げ物の後片付けは面倒くさいですよね。そんな時はフライパンで焼くだけで、唐揚げぐらいおいしい鶏料理ができるんです。 

 肉の塊が大きく、フライパンで焼ききれない場合は、その後アルミホイルで包んでオーブントースターで火を通してもOK。

「料理が上手になる秘訣は、ひとつでもいいから得意な料理を見つけること。バカのひとつ覚えと言われようとも、一生懸命練習すると、その料理に関しては自信がつく。そうすると他の料理をする時も自信が持てるようになります」と道野さん。ありがたいお言葉です。

【材料】

(2人前) 

・鶏モモ肉 2枚
・白ワイン 大さじ3
・乾燥ハーブ(タイム、ロ ーズマリー、セージなど) 小さじ1
・レモン 1個
・塩 適量

【レシピ】

1. 鶏モモ肉は4等分に。
2. ボウルに入れ、白ワイン、ハーブ、塩を加えてよく混ぜる。冷蔵庫で3時間以上休ませる。
3. テフロンのフライパンを火にかけ、サラダオイルをひき、鶏をこんがりと焼く。まず皮目を下にしてパリッと焼き、裏返してからは弱火にしてじっくりと火を通す。
4. 皿に盛り、4等分したレモンを添える。

本日のダンツマ達人…道野正さん

▽みちの・ただし
 1954年、兵庫県生まれ。同志社大学神学部卒業後、京都のフランス料理店「ボルドー」で7年間修業。31歳で渡仏。3つ星レストラン「ラ・コートドール」、1つ星「ル・ランパール」、2つ星「ジャン・バルデ」で研鑽を積む。帰国後は大阪の「シェ・ワダ」、北海道・旭川の「ハーヴェスト・ロード・ハウス」を経て、90年、大阪・豊中市でフランス料理店「ミチノ・ル・トゥールビヨン」を開業。2009年、大阪・福島区に移転、現在に至る。18年5月、自著「料理人という生き方」を出版。

▼「ミチノ・ル・トゥールビヨン」
 この道40年のオーナーシェフは、今でも食への探求心は衰えない。類いまれなセンスとフレンチの概念にとらわれない料理は「前衛的」「異端児」と称され、全国から食通が集う。

「ボクはひたすら来てくれたお客さまのために料理を作ってきた。自分が納得し、自信を持って『これがボクの料理です』と言えるものを作ってきたし、これからもそうありたいと思っています」
大阪市福島区福島6―9―11 神林堂ビル1F
℡06・6451・6566
営業時間 昼12~15時、夜18~23時。月曜定休

(日刊ゲンダイ2018年8月25日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「季節野菜のピクルス」ふつうのお酢なのにまるでお店の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のビストロ「スリジィエ」の山本延年さん...
時短レシピ! コチュジャン風味の 「韓国風牛すじ煮込み」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
「イカゴロ(内蔵)豚のホイル焼き」合わせみそは万能調味料
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、野趣...
「豚バラ肉の角煮スパイスソース」週末昼下がりに仕込みたい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
#stay homeを楽しくおいしく☆鯖缶で簡単!トマトペンネ
 常備食材の定番になってきた「鯖缶」。今回は、同じく常備食材のトマト缶と合わせた「鯖缶で簡単! トマトペンネ」をご紹介し...
ぐっち夫婦 2020-05-27 14:30 フード
「アタクルトワット」ターメリックを使ったジャガイモ炒め
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
コロナ疲れ吹き飛ぶ! 秋田・尾道・沖縄のご当地スイーツ3選
 目に見えないウイルスとの闘いで“コロナ疲れ”を引き起こす人が増えているといいます。なかには外食ができないためストレスが...
内埜さくら 2020-05-15 16:11 フード
「ナムルの3種盛り」韓国料理の定番前菜をおいしく作るコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
炊飯ジャーでつくる「塩麹に漬けた柔らかローストポーク」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、炊飯...
「ナスとキュウリの醤油漬け」みずみずしい夏野菜のハーモニー
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「ホタルイカの生姜醤油煮と天ぷら」春の味覚を2つの料理に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、純...
油っぽさゼロ!「自家製シーチン」作り方は意外にカンタン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
おうちでミシュランの味も!自炊に飽きた時に頼りになる3選
 目に見えないウイルスとの闘いで“コロナ疲れ”を引き起こす人が増えているといいます。なかには外食ができないためストレスが...
内埜さくら 2020-05-15 16:10 フード
「牛サガリの和風ステーキ」ヘルシーなスタミナ肉おつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「パリパリキャベツ」今が旬! 味噌ダレで食べる春キャベツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
「春野菜と山菜の酢味噌和えジュレ」ほろ苦さと香りを味わう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、濃...