お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2025-02-17 06:00
投稿日:2025-02-17 06:00

2. 肝斑

 肝斑は厄介なシミと前述しましたが、その理由は、原因が多岐にわたることと、治療が難航する場合があることが挙げられます。主な原因のひとつに「ホルモンバランス」があり、出産前に女性ホルモンが増加して乱れることによって、頬にシミが増えるケースがあります。これは肝斑であり、妊娠中は増えて、産後1年程度で自然に引いて行きます。

 ホルモンバランスに次いで「摩擦」も大きな原因のひとつです。ほっぺたの一番高い部分は洗顔やスキンケアの時など、日常的にも摩擦が加わりやすく、肝斑が現れやすい部位になります。形や色の特徴もあり、表皮層~真皮層と深い層までメラニン色素が増殖しているため、濃淡のある、ぼんやりとした境界の不明瞭なシミになります。紫外線を浴びると濃くなる特徴もあるので、遮光はマストで行いたいところです。

 主な治療方法はトラネキサム酸の内服と、ハイドロキノンなどお肌の漂白剤の塗布、クリニックに通院できるならレーザートーニングの治療が可能です。

 レーザートーニングとは、弱い出力でお顔全体に色素に反応するレーザーを当てる治療で、月1回×10回で1クール(一通りの治療)になるため、少々気合いが必要です。治療費用の目安は1回約10,000円~20,000円。

信頼のおける美容クリニックに通う!

 間違った診断により、老人性色素斑と同じ強さ(高い出力)でレーザーを照射されてしまったり、治療途中でも防御せず紫外線を浴びて摩擦の習慣を続けたり、トラネキサム酸の内服をしないなどで、逆に濃くなったケースも散見されます。一度治療すると決めたら信頼のおける美容クリニックの指示に従い、頑張りましょう…!

 老人性色素斑と肝斑のシミの違いについては、お肌のレーザー治療を扱うクリニックで、まずはしっかりと医師の診察を受けるが大切です。肌診断器で撮影することでより正確に診断が可能となりますよ。

肌の状態を分析する肌診断器「VISIA®」

 当院ではVISIA®を用いて、しわや毛穴の数などの細かい解析と、将来出てくるであろう肌の奥にあるメラニンの様子(隠れジミ)、大量のデータから分析したあなたのお肌年齢TruSkin Age®等をお伝えしています。

【写真B】の患者様は67歳ですが、当院でのしみ治療とスキンケア指導で、肌年齢は61歳の結果になりました。

 そして、お客様のお肌の状態等に合わせたスキンケア方法やおすすめの治療も一通りお話しています。(皮膚科初診料:2,200円)

 間違ったケアに進まないためにも、まずは気軽に美容クリニックで相談してみるのも一手かもしれません。

  ◇  ◇  ◇

 美容医療にまつわる知りたいこと、聞きたいことなどありましたら、執筆者は「増田えりか」を選択し、必須項目を明記の上、メッセージをお送りください。

美容医療・美容整形の質問&お悩みはこちら

 記事内にて取り上げる際は個人情報が分からないようにいたします。なお、掲載にあたり事前の連絡はいたしませんので、あらかじめご了承ください。

「イートップクリニック」院長/増田えりか

 2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


小顔整形って? エラを小さくする「3つの方法」を詳しく解説
 プチ整形、アンチエイジング……気になるけれど、敷居が高くてよくわからない、そんなお悩みを抱えている方も多いのでは? コ...
妊娠線予防は?髪型は?プレママに役立つ産前産後の美容知識
 プレママ期間は赤ちゃんを迎える準備や妊婦検診など、何かと忙しい時期。気づけば自分のことは後回しになってしまっていません...
肌に優しいから安心スキンケア! お守り的な基礎化粧品4選
 肌が強くないので、合わない化粧品を使うと赤くなったり、吹き出物ができてしまうのが悩みのタネ。もしもトラブル肌になっても...
そのヒール…本当に似合ってる? 美脚のための選び方のコツ
 美脚になりたくてハイヒールを履いているのに、ガラスに映った自分の歩く姿に、ギョッとしたことがある方はいませんか? 「デ...
七海 2019-11-19 06:00 ビューティー
K-POPスターがお手本! 白肌をより引き立てる口紅の選び方
 TwiceやBLACK PINKなど、中高生から大人気のK-POPアイドル。彼女たちに共通するのは、ホクロやシミそばか...
やるとやらないでは大違い…時短美容的なオイル美容の3原則
 秋冬シーズンは、乾燥や気温の低下による肌不調などに悩まされやすい時期。夏までと同じケアに「お手入れ不足」を痛感する女性...
5カ月で念願の-10kg達成! 一番効果があったダイエットは?
 半年で15kg激太りするという異例の事態後に思ったことは、「このままじゃいけない」という危機感でした。左膝は体重が重い...
ひじのカサカサがつらい…毎日のバスタイムでツルツル肌に♪
 厚着の季節だからといって、ひじのケアをさぼっていませんか?ひじはただでさえカサカサになりやすい部位。でも、毎日のバスタ...
産後「勝手に痩せる」は嘘! 1年で-17kgを叶えた4つのコツ
 ママ友との会話で必ず出てくるのが、「体重が戻らなくて……」という話題。一児のママである私ですが、出産後に-17kg痩せ...
 “胸元の開いたデート服×大人かわいいリップ”の組み合わせ術
 肌寒くなり、アウターを羽織る時期になってきました。ダークトーンのアイテムが増えるこの時期は、代わり映えしないコーディネ...
秋冬も紫外線対策を! 常備しておきたい“日焼け止め”4タイプ
 夏の強烈な日差しを浴びて、肌も髪も一気に老けた気が……。しかし、夏が過ぎても紫外線は年中降り注ぐので、しっかりUVケア...
乾燥肌対策にも! 栄養士が教える「美肌へのモテ食習慣」3選
 すっかり寒い季節となり、彼に密着できるチャンス到来! しかし乾燥肌では彼に幻滅されてしまうかもしれません。  乾燥対...
食べられないストレスの発散方法とダイエットに挫折する理由
 食欲の秋は、ダイエットに励む女性にとって苦しい時期ですよね。見渡せば、そこらじゅうに美味しそうな食べ物。さらに追い打ち...
1日でもOK♡ファスティングダイエットを成功させるやり方!
 近年「ファスティングダイエット」が流行っていますね。「何日も断食状態を続けるのは無理!」「仕事など生活の弊害になる」と...
何年同じ髪型? 自分ルールをアップデートして垢抜け美人に
 自分に合うセルフブランディングは意識していないようで、どこかマイルールとして取り入れているものだと思います。 「エラ...
マツエクでおブスになってない? 可愛く盛るための注文方法
「まつげが少ないからマツエクに頼ってみたら、仕上がりが思ってたのとなんだか違う。彼氏から『つける前の方がかわいいよ』と言...
七海 2020-08-09 03:47 ビューティー