プロ直伝!「レバームースパテ」で朝食も晩酌も幸せな時間に

コクハク編集部
更新日:2020-02-26 06:00
投稿日:2020-02-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに、ふわふわ感がたまらない「レバームースパテ」のレシピを教えていただきました。

湯せんの仕上がりが滑らかさを左右する

「最近は、レバーペーストにハマっていてな。朝は、トーストに塗って食べる。これが、ウマいんだよ」

 1年前、時代小説の名手・山本一力氏を取材したとき、笑みを浮かべてこう言いました。今回のレシピを見て、ふと思い出したセリフです。

「『新鮮な鶏レバーが手に入ったら』というより、こいつを作るために、鶏肉屋で新鮮なレバーを買うのさ」

 このおツマミは、何よりも鮮度が命。生臭さをなくすためには、とにかく新鮮な鶏レバーを用意しましょう。野毛の名人にレクチャーを受けました。

「レシピの手順2までの調理に特別難しいことはありません。ポイントは、レバーの下処理と手順3の湯せんでの加熱です。指の腹で触れて、ペーストの固まり具合を確認するのがコツ。ベチャベチャだと不十分で、ちょっと指の腹に残るくらいで取り出すとちょうどいい。湯せんから取り出しても、容器の温度で加熱が進みますから」

 仕上げのオーブンは、まず20分で様子を見ます。何度か試すうちにコツがつかめるはずです。

「火を入れ過ぎると、パサパサしておいしくありません。滑らかな仕上がりに注意すると、おいしくなります。だから湯せんでの加熱具合が重要なのです」

 山本氏は「おいしいレバーペーストひとつで、朝食が幸せな時間になる」と笑っていました。プロ直伝のレシピで仕上げた一皿は、文字通りムースそのもの。ふわふわ感がたまりません。なるほど、レバーパテではなく、レバームースパテです。それをツマミに赤ワインを一口。幸せな晩酌です。

【材料】

・鶏レバー 100グラム
・全卵 80グラム
・ニンニク 1片
・玉ネギ 50グラム
・赤ワイン 60グラム
・グラニュー糖 5グラム
・バター 大さじ2杯
・塩 適量
・コショウ 適量

【レシピ】

1. フライパンにバターとスライスしたニンニク、玉ネギを入れて炒める。ニンニクが香り、玉ネギが透明になったら、赤ワインとグラニュー糖を投入。ワインが半分になるまで煮詰めたら、粗熱を取る。
2. 鶏レバーは筋や血管を除いておき、①とともにミキサーへ。全卵と塩、コショウを加えて、ピュレ状になったら、目の細かいザルで裏ごしする。
3. 耐熱性のココットに詰め、湯せんしてから120度のオーブンで20~30分加熱する。
4. 粗熱を取って冷蔵庫で冷やす。バゲットやトーストを添えて出来上がり。

今日のダンツマ達人…市川路朗さん

▽いちかわ・じろう
 ハイアットリージェンシー東京のホテルで修業を積んで横浜へ。シェラトンとロイヤルパークで料理長を務める。4年前に独立し横浜・野毛に店を構える。

▽ジィーロ
 ホテル並みの食材と料理をカジュアルな雰囲気の中、リーズナブルな価格で提供するビストロ。各地の猟師と提携してシカやイノシシなどのジビエも人気。横浜市中区野毛町1―29。

(日刊ゲンダイ2018年3月21日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


万能の黒こしょうソースと「豚三枚肉とズッキーニのソテー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
豚バラともやしを重ねて蒸すだけ!食欲そそる夏☆満足おかず
 梅雨も明けて、すっかり夏ですね。暑い日はコンロの前に立つ時間を短くしたいもの。今回は「重ねるだけ」で簡単に作れる猛暑に...
ぐっち夫婦 2020-09-27 11:52 フード
白ワインと一緒に 「夏ヒラメと薬味野菜のカルパッチョ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かず...
「オカヒジキ、ヤリイカ、タラコの和え物」食感がクセになる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・押上のワインビストロ「CLOUD NINE...
味噌が香ばしい「冷や汁」 真夏にぴったりな宮崎の郷土料理
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は宮崎市の板前料理店「福重」の福重浩さんに、宮崎の...
晩酌が華やぐ「枝豆の醤油煮」と「谷中生姜のもろみ揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・向島の老舗料亭「櫻茶ヤ」の添野光二さんに、...
甘くてまろやか「ニンジンのポタージュをかけた茶碗蒸し」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かず...
組み合わせの妙!ハイボールに合う「酢飯納豆の春巻き揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のミシュランにも掲載された割烹「ふ...
「夏野菜の冷製カレー風味」ちゃちゃっと本格志向の晩酌!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・押上のワインビストロ「CLOUD NINE...
「夏野菜のみぞれ和え」皮ごとおろして大根の辛さを味わう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は宮崎市の板前料理店「福重」の福重浩さんに、涼を呼...
おうち料理が料亭に!日本酒が進む「アユの大葉酢あんかけ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・向島の老舗料亭「櫻茶ヤ」の添野光二さんに、...
「モツイタリアン」仕上げに日本酒でフランベする理由は?
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・お花茶屋にある居酒屋「東邦酒場」の遠藤泰典...
「鶏のイタリア風チャーシュー」最後のひと手間でプロの味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・六本木ヒルズにあるイタリアン「オッジ・ダル...
2度美味しい 「鳥と大根スープ煮」からの「冷麺風そうめん」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のミシュランにも掲載された割烹「ふ...
カルパッチョ好き必見!おうちで作る「アジの和風タルタル」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・押上のワインビストロ「CLOUD NINE...
「イワシのうまみ焼き」味噌を加えてハラワタの苦味を堪能!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は宮崎市の板前料理店「福重」の福重浩さんに、イワシ...