「鯛の竜田揚げ」お酒好きの店主が考案した理想のおつまみ

コクハク編集部
更新日:2020-03-06 06:00
投稿日:2020-03-06 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに、山椒の香りと辛味でお酒が進む「鯛の竜田揚げ」のレシピを教えていただきました。

少なめの油で揚げてもいい

「週1でお酒を抜こうと思っても、誘われると翌朝早くてもほいほい行っちゃう。家で一人でいるときも、3つくらいおつまみを作って、きれいな折敷(おしき)に載せて晩酌するのがすてきだなって思うの。私、死ぬまでお酒を飲んでいたいんですよね」

 桜井さんが店を開いたのは71歳のとき。

「店が終わった後や、休みの日に飲みに行ったとき、最初はビールを頼むので、こんな揚げ物のつきだしが出てきたらすごくうれしいなって、いつも思うんですよ」と作ってくれたのが鯛の竜田揚げです。

 近ごろは、揚げ物好きの料理好きといえども、「揚げ物は油の処理が面倒だし、キッチンが汚れるし、太るし」といった理由で、家ではしない人も多いですが、桜井さんいわく、「一番簡単だし、すぐにできるし、熱々の揚げ物って、最高のつまみじゃない」。

 毎日食べるわけではないし、油の量が気になるなら、深くて小さい鍋に1センチくらいの油で揚げて、一度使ったら捨てればいいとおっしゃいます。

 下味がついているので、そのままでも十分おいしいですが、山椒(さんしょう)をつけると、爽やかな香りと辛味で、さらにお酒が進む味に。揚げ物の相棒といえば、かつてはビールでしたが、今は断然ハイボール。

「薄いお酒は味気ないから好きじゃない。できれば、ダブルくらいの濃いめのハイボールを」

【材料】

・鯛(切り身) 2切れ
・A=しょうが(すりおろし)小さじ1、醤油小さじ1と2分の1、酒小さじ1と2分の1
・片栗粉、揚げ油、長ネギ 各適宜
・山椒(または山椒塩)

【レシピ】

1. バットにAの材料を合わせ、ひと口大に切った鯛を入れて5分ほど置く。
2. 鯛の水気をきり、片栗粉をはたいて、170度くらいの中温に熱した油でカラリと揚げる。
3. 好みで、ぶつ切りにした長ネギを素揚げにし、2とともに器に盛る。山椒か山椒塩を添えても。

本日のダンツマ達人…桜井莞子さん

▽さくらい・えみこ
 デザイン会社に勤務の後、1988年にケータリング会社を立ち上げる。94年に東京・西麻布に「ごはんやパロル」を開くが、2004年に閉店して伊豆に転居。料理教室を主宰していたが、14年、71歳で再び青山に店を開く。

▽ごはんやパロル
 東京メトロ外苑前駅から徒歩2分。何げないけれど、まっとうで上等な家庭料理を、伊豆で作陶する陶芸家・黒田泰蔵さんの白磁で味わえる。おいしい料理とお酒とともに器も楽しめる店。
東京都港区南青山2―22―14 フォンテ青山101。18~22時(LO)/土・日・月・祝定休

(日刊ゲンダイ2019年4月13日付記事を再編集)

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