「菜の花の昆布締め」染み込んだ出汁とほんのりした苦み

コクハク編集部
更新日:2020-03-20 06:00
投稿日:2020-03-20 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、ほんのりした苦みがクセになる「菜の花の昆布締め」のレシピを教えていただきました。

“大人飲み”にこそふさわしい

 酒井さんの祖父は、福岡で自動車部品の会社「酒井商会」を経営していたそうです。祖父亡き後は会社もなくなりましたが、酒井さんが名前を引き継いだんだとか。

 そんな「酒井商会」は看板を出しておらず、初めての人は場所が分かりづらいかも。 そもそも2階で目立たないので、フリで入ってくる客もほとんどいません。

「店舗を探している段階から、2階でやろうと。ウチを好きなお客さまだけに来てもらえればいいな、と思っていたんです」(酒井さん)

 いまや“酒井商会を好きな客”だらけで、なかなか予約が取りづらくなってしまいました。穴場は平日の開店時間すぐの午後4時台。静かにお酒と料理を楽しみたい“大人”の客が、カウンター席でゆっくり時間を過ごすそうです。

「菜の花の昆布締め」は、“大人飲み”にふさわしいおつまみ。ぜひワインや日本酒片手にしみじみ味わってくださいね。

【材料】

・菜の花 適量
・昆布 適量
・カツオ節(あれば糸削り)

<だし汁>
・だし 120㏄
・薄口醤油 10㏄
・みりん 10㏄

【レシピ】

1. だし汁の材料をすべて合わせて加熱。ひと沸かししたら火を止めて、冷ます。
2. 菜の花を沸騰した湯でゆでる。ゆで過ぎに注意! 目安は約15秒で、すぐに湯から上げて氷水に落とす。
3. 菜の花の水気をしっかりと切った後、だし汁に2~3時間漬ける。
4. だし汁から取り出した菜の花を昆布で挟んでしばらく置く。味を見て、いいあんばいのところで皿に盛り、カツオ節をかける。

本日のダンツマ達人…酒井英彰さん

▽さかい・ひであき
 1984年12月3日、福岡県生まれ。大学卒業後、ワーキングホリデーで行ったオーストラリアのフレンチレストランでフランス料理を学ぶ。帰国後、三笠会館でフレンチのシェフを2年、ゼットングループでマネジメントなどを5年、渋谷の人気店「高太郎」に憧れ、高太郎のオーナーが修業していた飲食店グループ「FAIRGROUND」のひとつ「並木橋なかむら」を経て「高太郎」で修業。2018年4月に和食割烹「酒井商会」をオープン。

▽酒井商会
 酒は自然派ワインと日本酒がベース。魚はすべて天草産。刺し身はすべて味付けをしている。人気メニューの「みつせ鶏の唐揚げ」や「雲仙ハムカツ」ほか、旬のおばんざいも豊富。イチ押しは、注文を受けてから炊く「土鍋ごはん~ごぼう揚げ穴子」。酒が止まりません! 作家モノ、骨董、オリジナルなどさまざまな器も目を楽しませてくれる。 東京都渋谷区渋谷3―6―18 荻津ビル2階。(月~金16~24時、土15~22時、日曜定休)

(日刊ゲンダイ2019年5月23日付記事を再編集)

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