ホタルイカはぷっくりと大きめを
春の味覚、ホタルイカは酢味噌で和えたり、パスタにしたり。さまざまな調理で楽しめます。この海の幸に春を感じる人は少なくないはず。
「店では、日替わりのアミューズ(お通し)としてお出ししています。季節感があって、とても喜ばれるんですよ」
おいしいお通しは、いい店の基本です。塩加減と酸味がほどよく、シャキシャキとしたカブの食感が心地よい。エリンギやシメジの風味は抜群で、そこにホタルイカの甘味とミソのコク――。極上のアテですね。一流ホテルで腕を磨いただけに、お通しにもプロの技を感じさせます。シロウトにできるのでしょうか?
「調理らしい調理は、キノコ類とカブを炒めるだけ。簡単ですよ」
そう笑いながら答えられると、確かにそうですが。でも、ポイントがあるんだとか。
「カブとホタルイカの食感が大切。カブは、炒め過ぎるとグズグズになるので、加熱はサッと、です。もうひとつはホタルイカの下処理。目や軟骨を外しておくと、歯に当たることなく、おいしく召し上がれます」
食感の良さを生かすには、下処理が欠かせません。ホタルイカは、ぷっくりと大きめを選びましょう。その方がミソがおいしいから。魚屋などでボイルを仕入れたら、まずは優しく水洗い。
「骨抜きなどで目と口を外したら、胴体の内側にある軟骨を下から引き抜いてください」
このひと手間で、簡単なマリネがグンとおいしくなります。「一晩寝かせると味がなじみます」というから、寝る前に仕込んでおくといいですね。週末の昼下がり、春の風を感じながら、これをつまみに、キリッと冷えた白ワインを飲んだら最高ですね。
【材料】
・ホタルイカ 1パック
・カブ 2つ
・シメジ 1/4
・エリンギ 1本
・鷹の爪 少々
・ニンニク 1片
・ローリエ 1枚
・塩 少々
・コショウ 少々
・オリーブオイル 少々
・白ワイン 小さじ3杯
・白ワインビネガー 小さじ3杯
【レシピ】
1. フライパンにオリーブオイルを入れて、鷹の爪とニンニクを加え、中火で香りが出てきたらキノコ類を炒めて塩コショウを加える。
2. 白ワインとローリエを加え、アルコール分が飛ぶまで炒める。
3. 8分の1にくし切りしたカブを加えて、サッと火を通す。
4. 白ワインビネガーで味を調えたら、冷ます。
5. カブのマリネとホタルイカを合わせて、出来上がり。
今日のダンツマ達人…市川路朗さん
▽いちかわ・じろう
ハイアットリージェンシー東京のホテルで修業を積んで横浜へ。シェラトンとロイヤルパークで料理長を務める。4年前に独立し横浜・野毛に店を構える。
▽ジィーロ
ホテル並みの食材と料理をカジュアルな雰囲気の中、リーズナブルな価格で提供するビストロ。各地の猟師と提携してシカやイノシシなどのジビエも人気。横浜市中区野毛町1―29。
(日刊ゲンダイ2018年3月24日付記事を再編集)
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