「山わさびのせ豚ロースステーキ」あくまでも中火でじっくり

コクハク編集部
更新日:2020-04-19 06:00
投稿日:2020-04-19 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、さわやかな風味の「山わさびのせ豚ロースステーキ~バター風味~」のレシピを教えていただきました。

ひと手間でしっとりした仕上がりに

 調理のポイントは油を使わないこと。

「店では肉類をフライパンで炒めたり、焼いたりする場合、肉の脂身から出る脂のみで調理します。サラダ油などは入れません。また、肉が硬くなったり肉質が壊れたりするのを防ぐため、ほとんどの場合は中火で行います」と西澤さん。

 さらに「今回はSPF豚のロース肉を使いますが、特徴である脂身と肉質の良さを、ぜひ味わってほしいですね」と続けます。火を通しすぎるとバサバサになるので、一気に焼き上げようとせず、あくまでも中火でじっくりと。この機会に絶妙な火の通し加減をマスターしたいですね。

 アルミホイルで肉を包み、休ませるのは、中心まで余熱で火を通すことと、肉汁や水分を肉に戻すため。このひと手間で、もともと軟らかくてうま味のあるSPF豚のロース肉が、全体的にしっとりとした仕上がりになるとのこと。

 山わさびは「西洋わさび」や「ホースラディッシュ」とも呼ばれ、ローストビーフの薬味やソースの材料として知られています。一般的なわさびより辛く、独特の風味があります。北海道では自生しているものが多いですが、最近は畑で栽培する専門農家も。

 一般的な本わさびの1・5倍の辛さがあり、嫌みのないさわやかな風味が特徴。メイン料理の引き立て役だけでなく、山わさびそのものの風味も楽しめます。

 合わせるのはフルボディーの赤ワイン。力強く酸も渋味(タンニン)も強めのカベルネ・ソーヴィニオンを選びたいところ。日本酒ならコクのある華やかな香りの純米酒や純米吟醸、大吟醸が合いそうです。

【材料】(4人前)

・SPF豚ロース肉  200グラム×2
・白ワイン 60㏄
・塩 少々
・ブラックペッパー 少々
・バター 80グラム
・醤油 大さじ2
・山わさび すりおろしを適量
 <付け合わせ> 
・クレソン 適量
・お好みの焼き野菜  適量

【レシピ】

(1)豚ロース肉の脂身部分を筋切りし、両面に塩、ブラックペッパーで下味をつけたら、フライパンに油を引かず、まずは肉の脂身だけを強火で焼く。
(2)脂身から脂がにじみ出てきたら中火にして、両面に6割程度まで火が通ったら白ワインを入れ、強火にしてアルコールを飛ばし、火を止める。
(3)肉を取り出し、アルミホイルで包み込んで、約5分休ませる。
(4)肉を焼いたフライパンに再び火をつけてバターを入れ、中火で焦げ付かないように溶かしてから休ませた肉を入れ、仕上げに醤油を回し入れたら火を止める。
(5)肉を取り出し、適当な大きさに切り分けて器に盛り付ける。フライパンで溶かしたバターを肉にかけ、最後にすりおろした山わさびを好みの量で飾りつけて完成。

本日のダンツマ達人…西澤一暢さん

▽にしざわ・かずまさ
 1978年、北海道旭川市生まれ。中学卒業後、料理好きな父親の影響もあり、この世界に飛び込む。北海道内のホテルや飲食店で17年間修業し、料理長、店長を経て独立。2012年5月11日、全国から舌の肥えた人間が集まるすすきのに「澤」をオープンした。日本料理の専門調理師および調理技能士(厚生労働省認定)の資格を持つ。

▽さわ
 修業中の店で出合ってほれ込んだSPF(特定病原体不在)ポークのオリジナルブランド「ひこま豚」(北海道森町産)を使って、25種類の料理を提供している。同店ソムリエの三上健太さんが、地元の旬な魚介類や野菜を使った料理に合わせ、ワインや日本酒、焼酎を厳選して用意。“ひこま豚とまごころ料理”を看板に、来客の笑みがこぼれ、かつ末永く愛される店を目指している。札幌市中央区南三条西3―5―2 都ビル2階(地下鉄南北線すすきの駅徒歩2分)。

(日刊ゲンダイ2018年6月2日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


やさしくしみる「ビシソワーズ」ほのかなニンニク風味が魅力
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「bar NIKOKO」の乾喜代子...
芸能界御用達のロケ弁「鳥久」実食レポ 2021.12.18(土)
 大田区蒲田にお店を構える「鳥久本店」。テレビのバラエティー番組などで、度々話題に上るお弁当屋さんで、芸能界で人気のある...
肉汁が口にジュワーッと…「肉焼売」焼売オン焼売のぜいたく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
蒲田で発見! 魅惑のソーセージ自動販売機 2021.12.15(木)
 コロナ禍で、自動販売機が一大ブームになりました。  非接触で商品を売買できるという利点を生かし、冷凍ラーメンやら...
煮込まない「もつ煮込み」 沸騰したら火を止め余熱で火入れ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
アップルパイLOVE♡聖地の青森弘前で堪能 2021.12.14(火)
 好きなパンランキング6位(日本能率協会総合研究所調べ、2020年)に入るぐらい支持率の高い「アップルパイ」。実はりんご...
「生ホルモンとピーマン辛味噌炒め」ピーマンの切り方に秘訣
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
マヨ甘酢でさっぱり「マカロニサラダ」ゆかりと大葉を混ぜて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
「白菜コッチョリサラダ」うま味と風味広がるピリ辛生キムチ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
「苺のパンケーキ」3選。2021.12.11(土)
 待ちに待った苺の季節。今回は、苺がトッピングされたオススメのパンケーキをご紹介したいと思います! カフェでほっとひとい...
ほっこり温かい「山形内陸風の芋煮」牛肉の甘味が口に広がる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
ねっとり軟らか「押し麩の醤油麹焼き」クセになり過ぎる食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
まだ買える⁉無印のカカオトリュフに夢中 2021.12.7(火)
 冬季限定で絶賛販売中の無印良品「カカオトリュフ」(全5種)、これ、本当にすごい。11月に入ってすぐ、お店でなんとなく目...
「マッシュルーム、トマト、チーズのホイル包み」肉厚が最高
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
プリプリでしょっぱ美味!「玉こんにゃく」熱々でも冷めても
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
京都の「餅菓子」4選。2021.12.4(土)
 12月の京都は風情があって魅力的。冬にかけて旅行を計画している方も少なくないと思います。京都にはおいしい食べ物がたくさ...