「季節野菜のピクルス」ふつうのお酢なのにまるでお店の味

コクハク編集部
更新日:2020-05-14 06:00
投稿日:2020-05-14 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のビストロ「スリジィエ」の山本延年さんに、ほのかな甘味と酸味がマッチした「季節野菜のピクルス」のレシピを教えていただきました。

3日間我慢して味を染み込ませる

 イタリアンやフレンチの口直しに、ピクルスは最高ですね。しかし、店によっては、酸っぱ過ぎたり、甘過ぎたり、はたまたそれぞれが強過ぎたり。バランスのいい仕上がりに出合うことは、意外と少ないもの。

「これ、特別な酢を使っているんですか?」

 取材と撮影を終え、試食したカメラマンがうなったように、記者もそう思いました。ほのかな甘味とほのかな酸味。食材の食感といい、すべてが一つにまとまっていて、とにかくバランスがよかったんです。

「ふつうのお酢ですよ。ほらミツカンの」

 いつもは業務用の特大サイズを使いますが、切れていたため、近くのコンビニで買った家庭用の穀物酢。白地に緑の帯のおなじみの一本です。我が家にもある、あれで、この味を生むとはスゴイ! マリネ液の正体はレシピの通りで、酢に砂糖と塩を加えて沸騰させるだけ。さすが名人、お見事です。

「サラダなど生で食べられるものは生のまま、火を通すのは豆類と根菜の一部だけ。あとは、じっくりと3日漬けること。それだけです」

 ゆっくり味を染み込ませるからこその優しい味わい。できてしまえば、長期保存可能ですが、「容器は煮沸消毒したものを使ってください」とのこと。白ワインもたくさん用意して、冷やしておきましょう。

【材料】

〈A〉
・ミョウガ、菜の花、新ショウガ、赤パプリカ、黄パプリカ、ニンジン ※分量はすべて適量

〈B〉
・ソラ豆、タケノコ、白インゲン ※分量はすべて適量

〈C〉
・酢 100ミリリットル
・砂糖 30グラム
・塩 10グラム

【レシピ】

1.〈A〉は、それぞれピクルスとして食べるのに適当な大きさに切る。
2.〈B〉は、それぞれ茹でておく。タケノコは、適当な大きさに切った上で、すべて水気を取る。
3.〈C〉を混ぜて沸騰させ、氷水で冷ましてから、1と2を加えて冷蔵庫で3日置く。

本日のダンツマ達人…山本延年さん

▽やまもと・のぶとし
 パレスホテルをはじめ東京の銀座や京橋のフレンチレストランで12年間修業。ホテル勤務時代は、本場フランスでも腕を磨く。

▽ビストロ・スリジィエ
 2005年に東京・新橋の烏森神社参道に開いたカウンター・ビストロ。3400円で魚と肉のメインがつくコース料理は、ビストロ価格ながら、レストラン並みの一皿一皿で軽い接待にも使える。東京都港区新橋2―15―17。

(日刊ゲンダイ2019年5月9日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


あの里芋が大変身!シャキシャキ食感が新しい「里芋そば」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂「多に川」の阿部学さんに里芋の新しい魅...
「めんたいパスタ風うどん」めんたいこの程よい塩気がクセに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・小岩の立ち飲み屋「カミナリ3ダー」の北岡圭...
「ヒラメの昆布締め」引き締まった身に昆布のうまみが染みる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・流山市の老舗割烹「割烹柳家」の青柳宏幸さ...
簡単万能ソースで南仏の味を楽しむ「タコのマリネ香草風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・豊中市のフレンチ「ビストロ・リッペ」の中尾...
「サバの味噌煮缶とトマトの煮込み」2つの酸味が味に深みを
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のイタリアン「あつあつ リ・カーリ...
火を使わない簡単スタミナメニュー「生ニラのゴマ塩和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺の焼き鳥店「焼き鳥 しょうちゃん」の...
「ポテトサラダの稲荷焼き」じゃがいもの甘みを油揚げにイン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は札幌・すすきのの居酒屋「おばんざい屋 まる」の平...
2019-07-07 06:00 フード
濃厚な香りと風味を楽しむ「マンステールチーズのグラタン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
タピオカ発祥の地 台湾で本当に人気のタピオカドリンクは?
 日本で爆発的に人気なタピオカ、モチモチした食感がたまらなくて皆大好き。今回はそんなタピオカの発祥の地である台湾から、現...
インリン 2019-07-04 06:00 フード
「カツオのネギ鍋」火を入れすぎないのが美味しさのポイント
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
切って巻くだけで出来る“映え”おつまみ「生ハム大葉巻き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
「ちりめんパルメジャーノ」粉チーズを焼いて楽しむ新食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
意外な組み合わせがおいしい「グリーンカレー風グラタン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は沖縄・那覇のビストロ「Refuge」の大城忍さん...
「焼きチータラ」シンプル調理であっという間に出来上がり
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「純米酒 三品」の稲原春香さん...
「よだれマグロ」パンチの効いた漬けダレでご飯にもピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・四谷三丁目の中華料理店「南方中華料理 南三...
「鶏ハツのガーリック炒め」香ばしさと食感がたまらない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の居酒屋「のぶ太郎」の金漢奎さんにガッ...