「筋子納豆ピザトースト」太宰が愛したテッパンの組み合わせ

コクハク編集部
更新日:2020-08-30 06:00
投稿日:2020-08-30 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かずのりさんに、太宰治の「人間失格」に登場する「筋子納豆ピザトースト」のレシピを教えていただきました。

焼いたパンに具材をのせるだけ

 これまで「ニンジンのポタージュをかけた茶碗蒸し」「夏ヒラメと薬味野菜のカルパッチョ」「サバのムニエル ブールノワゼット」「親子丼リゾット」と紹介してきました。いずれも、お店の裏メニュー。常連さんからリクエストがあれば、「材料さえあれば作りますよ。ただ、これ以外はね……」。

 それが今回の「筋子納豆ピザトースト」。なぜなら、納豆はワインに合わないからだそう。ちなみに「筋子納豆」は、津軽出身の作家、太宰治の「人間失格」に登場するので、一読あれ。

 川口シェフが今後やりたいこととして「青森のかっちゃ(母)巡り」を挙げる。

「それぞれの地域にかっちゃが受け継いできた郷土料理があるのですが、市町村の合併吸収もあり各地の郷土料理の特徴が薄れてきている。青森の大半の地域を回ったとはいえ、まだ行っていないところがある。早くかっちゃたちに会いに行かねば、と考えています」

 今後、新たな“かっちゃの味”がフランス料理と複雑に絡み合って、お店のメニューに登場するかもしれません。

【材料】

 
・薄めの食パン
・クリームチーズ
・シュレッドチーズ
・納豆
・筋子
・粉チーズ

【レシピ】

(1)パンを焼く。きつね色になったらクリームチーズ、シュレッドチーズをのせて軽く焼く。
(2)といて付属のタレで味付けした納豆と筋子を食パンの上にのせ、粉チーズをふりかける。

本日のダンツマ達人…川口かずのりさん

▽かわぐち・かずのり
 1974年大阪府堺市生まれ。大阪あべのエコールキュリネール辻フランス料理専門カレッジ卒業後、フランス・ブルゴーニュ「ル・ベナトン」へ。帰国後は、勝どき「クラブNYX」、西麻布「クリニャンクール」でフランス料理シェフの宮本雅彦氏に師事。帝国ホテルの「レ・セゾン」、日比谷三信ビルの「ラ・プロムナード」などを経て、「現代青森料理とワインの店ボワ ヴェール」のオーナーに。

▽ボワ ヴェール
 青森の食材にこだわった料理を提供。テーブル席がほとんど青森県出身者や青森ファンで埋まる、ということも。この店でプロポーズをし、新婚旅行は青森、そこでできた子供と一緒に食べにくる客もいる。ぜひ一度は食べてほしいのが、「本日の前菜盛り合わせ」。青森各地の旬の野菜を、シンプルな調理法でいただける。東京都港区西新橋1―13―4 B1。

(日刊ゲンダイ2018年8月4日付記事を再編集)

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