「サバのフリッタータ」本場のオムレツをサバ味噌煮缶で作る

コクハク編集部
更新日:2020-11-11 06:25
投稿日:2020-11-11 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・六本木の「オステリア ナカムラ」の中村直行さんに、イタリア版のオムレツ「サバのフリッタータ」のレシピを教えていただきました。

蒸し焼きなら裏返さなくて大丈夫

「フリッタータ」はイタリア版のオムレツ。じゃがいもなどの具をぎっしり入れ、フライパンいっぱいに丸く広げて分厚く焼き上げるのが定番ですが、「コンビニにあるものでパパッと作れたほうがいいでしょ?」とシェフが使ったのはサバの味噌煮缶。

 家にある缶詰ならイワシのかば焼きでもサバの水煮でも、オイルサーディンでも、青魚系なら何でもいいそうですが、「味がついていたほうが、味つけに気を使わなくてもいいのでラクだと思います」とシェフはやさしい気遣い。そのうえ、このオムレツは裏返さなくていいので失敗がありません。

「小さめのテフロンのフライパンを使って、途中でオリーブオイルを少し足して蒸し焼きにすれば裏返さなくても中まで火が通り、最後にツルンときれいにはがれます」

 蒸し焼きにする時間はあくまで目安で、半熟好きなら短めに、硬めが好きなら長めにとお好みで。サバの味噌煮がまるでひき肉のようでもありボリュームたっぷり。長ネギの甘味と大葉の香りがアクセントで、イタリアンというよりは居酒屋風の一品です。

 合わせるお酒は「すっきりとした白ワインで。樽がきいた白なんて、うるさくてしょうがないでしょ」と、マダム幸子さんの辛口コメントがピリリときいています。

【材料】

・サバの味噌煮(缶詰) 100グラム
・大葉(またはバジル の葉) 5枚
・卵 3個
・にんにく(みじん切 り) 2分の1片
・長ネギ(小口切り) 2分の1本
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 3つまみ
・黒こしょう 少々

【レシピ】

(1)サバの味噌煮はフォークで身をつぶしてほぐし、大葉はざく切りにする。
(2)ボウルに卵を割って入れて溶きほぐし、①を加えて混ぜ合わせ、塩、黒こしょうをする。
(3)フライパンににんにくとオリーブオイルを入れて弱火にかけ、にんにくの香りが出てきたら長ネギを加えて、しんなりするまで炒める。
(4)3に2を流し入れて強火にして混ぜ、8割がた火を通す。
(5)4の鍋肌にオリーブオイル少々(分量外)を加え、蓋をして弱火で4~5分蒸し焼きにする。

本日のダンツマ達人…中村直行さん

▽なかむら・なおゆき
 1962年、東京都出身。高校卒業後、服部栄養専門学校を卒業して東京・青山の「リトル・イタリー」を経て渡伊。ミラノを中心に各地で学ぶ。帰国後、渋谷「バスタ・パスタ・ウエスト」などを経て、2003年に独立。六本木に「オステリア ナカムラ」を開く。

▽オステリア ナカムラ
 ワインのセレクトとサービスを担当するマダムの幸子さんと夫婦二人三脚で17年。常連客に愛される六本木の路地裏の隠れた名店。「シンプルだけどうまい」「シンプルだからおいしい」が中村シェフの信条で、定番に加えて季節のメニューを提供。東京都港区六本木7―6―5 六本木栄ビル2階。

(日刊ゲンダイ2019年11月19日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「シメサバとイチジクの前菜」切って盛りつけるだけでお洒落
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「海苔の佃煮チンジャオロース」具と絡む濃厚なコクと照り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、意外...
赤提灯メニューを気軽に!「箱シューマイからのエビチリ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の小料理屋「きになる嫁デラックス」の...
「トンノ・エ・ファジョーリ」ツナ缶と白いんげん豆のサラダ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のイタリアン「トラットリア ブカ・...
「ザンギのアジアン風」パクチーの根っこを捨てずに活用して
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・池之端の創作ビストロ「Cise」の宮武郁弥...
うま味がジュワ~ッとにじみ出る「しじみ出汁巻き卵」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
「仔羊のカレー煮込み 温玉のせ」卵を崩すタイミングに悩む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
生もと系の酒にぴったり「腐乳拌魚生(マグロの腐乳和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「豚ひき肉とタケノコのレタス包み」パンチの効いた味と食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
みかんが香る「鯛のカルパッチョせとか風味のビネグレット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
2つの新食感「生マッシュルームとプチヴェールのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
「カルボナーラ」多めの茹で汁でクリーミーな仕上がりに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
「鶏のタコ焼き風」ソースとマヨネーズとかつお節で風味良し
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・江戸川区の立ち飲み居酒屋「カミナリ3ダー」...
【エビマヨとアボカドのパリパリピザ】餃子の皮でお手軽に!
 前回はパクチー餃子をお伝えしましたが、餃子の皮って……余りがちじゃないですか? そういえば冷蔵庫に餃子の皮が余ってたな...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:10 フード
「寅王しいたけのラクレットチーズ焼き」味のポイントは酒盗
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
味わいに変化 「チーズの味噌漬け」3日目と7日目を食べ比べ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...