辛くて美味しい「雷コンニャク」 コクの秘密はウナギのタレ

コクハク編集部
更新日:2021-10-23 06:00
投稿日:2021-10-23 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・日本橋の鰻串焼き居酒屋「心天」の林成さんに、辛ければ辛いほど美味しい「雷コンニャク」のレシピを教えていただきました。

唐辛子よりラー油の方がコンニャクに味がなじむ

 店のメニューは、当然ながらウナギ料理がほとんど。肝(内臓)やレバー(肝臓)、かぶと(頭部)などレアな部位の串焼きのほか、紹興酒漬けや西京焼きといったオリジナルメニューも目を引きます。

 そんな中、ウナギ以外の料理で常連客に人気なのがコレ。一般の居酒屋でもおなじみのコンニャク料理も、ウナギ職人として工夫をこらしているそうです。

「雷コンニャクは、辛ければ辛いほどおいしい。その辛さにコクを加えるのが、ウナギのタレなんですよ」

 通常は、ボイルしたコンニャクを醤油とみりんで炒め、唐辛子で辛味をプラスします。その味つけをウナギのウマ味をたっぷり含むタレに変えれば、なるほどコクが増します。

 しかし、専門店のようなつぎ足しでウナギのエキスをたたえたタレを家庭で再現するのは不可能。そこで「うざく」の回で紹介したウナギのタレにウマ味調味料とラー油を加えて辛さをなじませつつ、辛味を強調します。

「そうすると、コンニャクにウマ味と辛さがコーティングされるでしょ。唐辛子よりラー油の方がコンニャクに味がなじむんです」

 覚えておきましょう。

材料 2人分

・コンニャク  1丁
・ゴマ油  小さじ2
・カツオ節  少々
 《味つけ》 
・ラー油  20㏄
・ウナギのタレ  20㏄
・薄口醤油  10㏄
・ウマ味調味料  少々

【ウナギのタレ】 
・氷砂糖  30グラム
・みりん  50㏄
・濃い口醤油  50㏄

レシピ

(1)コンニャクを3~4センチ角に手でちぎり、熱湯で1分ほど茹でたらよく水気を切る
(2)ウナギのタレの材料をすべて鍋に入れ煮詰める。氷砂糖が溶ければOK。これと《味つけ》の材料を合わせておく。ラー油の量は好みで調節
(3)フライパンにゴマ油を熱し、1を加え、水分が飛んでチリチリと音がしてきたら、2を投入。汁気がなくなるまで炒めたら、器に盛り、カツオ節を振ったら出来上がり
「中火でひっくり返しながら炒めると、焦げにくいですよ」

本日のダンツマ達人…仲島宏明さん

▽林 成(りん せい)
 中国福建省出身。沖縄留学で来日し、その後東京へ。新橋の「うな新」(閉店)で修業し、ウナギ職人の道へ。12年前に独立。ウナギの串焼きは、愛知・三河産を注文を受けてからさばく。「僕より包丁さばきが速い人は見たことない」

▽心天
 ウナギの串焼き居酒屋。骨と骨の間に残る赤身の「赤ばら」、その上の白身「白ばら」、皮を巻いた「串巻」など部位ごとに分けた串は、1本300円前後。ウナギの紹興酒煮(980円)をはじめオリジナルメニューも充実している。東京都中央区日本橋蛎殻町1―14―7。

(日刊ゲンダイ2021年10月13日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


職人の知恵! 市販の塩昆布で作る「白身魚の塩昆布和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「マグロの漬け」程よく漬かって新鮮味も失わないコツは?
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
ポリッと「キュウリのポン酢漬け」 夏だからこそおいしい!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
ネギトロと納豆と…「ばくだん」はトッピング次第で十人十色
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「イクラと明太子の真砂和え」意外にも“魚卵×魚卵”が合う!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「鶏の半身揚げ」低温調理でウマ味をギュッ!と閉じ込める
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
「サバ缶の味噌マヨグラタン」トースターで驚きの完成度!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
テッパン「夏アイス」5選! 2021.8.5(木)
 毎日うだるような暑さが続いてますが、夏バテしていませんか? 筆者は、もしクーラーのない時代に生まれていたら、ソッコー夏...
「水ダコの和風カルパッチョ」薬味たっぷりサラダ感覚で!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
最旨っ!ペヤング「獄激辛にんにく」実食 2021.8.3(火)
 まるか食品の「ペヤング獄激辛シリーズ」に新しい仲間が加わりました。その名も「獄激辛にんにくやきそば」! 夏だからね、に...
「アボカドの卵黄づけ」だし醤油に15分漬けて卵を落とすだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
「水なすのみょうが味噌かけ」味噌と砂糖のバランスがカギ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「鰹のミルフィーユ」10分漬け込むだけで濃厚な味わいに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「しらすと数の子の梅びしお和え」ご飯にもパスタに和えても
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「蒸し寿司の餡かけ」そばつゆの甘い餡としゃりの酸味が絶妙
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「牧場の朝×Kiri」で簡単レアチーが! 2021.7.26(月)
 TikTokで流行中の「ヨーグルトレアチーズケーキ」に挑戦してみました! ヨーグルトの中にチーズを入れて混ぜるだけなの...