「和風ローストビーフ」しっとり感の秘密は湯煎での低温調理

コクハク編集部
更新日:2022-03-22 06:00
投稿日:2022-03-22 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・市川の和食の名店「魚料理もつ鍋 山咲き」の山崎幸夫さんに、しっとりと仕上げる「和風ローストビーフ」のレシピを教えていただきました。

まるでお刺身!

 山咲きは和洋のメニューが豊富。大将や女将さんが考案してお品書きに並べる。お客さんの頼み具合を見て、人気のあるものだけが肴に残るんです。和風ローストビーフだけあって、刺し身のように並んだ牛肉。やんわりと火が通り、肉もダシの味が♡

「湯煎でじっくり低温調理をするとしっとりと仕上がります。このやり方だと、蒸し鶏も全然、口当たりがいいんです」

 肉を薄めに切り、自家製ダレやバルサミコソースを好みで漬けるとのこと。山咲きではお刺し身も2種類の醤油を用意しているのがさすがです。

「牛肉はやはりビールが合います。豪快に食べてください」

 和風ローストビーフには繊細でしっかりした和牛がおススメですよ。

「3、4日保存できます。冷凍しても大丈夫です」

 でも、あっという間に食べてしまうだろうな。

【材料】3人前から4人前

・和牛もも肉 200グラム
・ワサビ(お好みで)
・醤油 50㏄
<漬けダレ>
・酒 200㏄
・みりん 50㏄
・醤油 50㏄
<自家製ダレ>
・酒 50㏄
・醤油 50㏄
・みりん 50㏄
・鰹節 適量
<バルサミコソース>
・バルサミコ 100㏄
・砂糖 適量
・醤油 適量

【レシピ】

(1)肉の表面を軽く焼く。

(2)<漬けダレ>は酒とみりんを煮切って、醤油を入れて少し冷ます。

(3)<漬けダレ>をジップロックに入れ、肉を塊のまま同封。できるだけ空気を抜いて真空状態に近づける。

(4)温度計を見ながら60度くらいに保ち、1時間ほど湯煎する。

(5)お好みの厚さに切ってお皿に盛る。お好みでワサビを添える。

<自家製ダレ>

(1)酒とみりんと醤油をひと煮立ちさせて、鰹節を入れる。

(2)冷ましたら鰹節をこして出来上がり。

<バルサミコソース>

 バルサミコを半分まで煮詰めて、砂糖と醤油を適量入れれば出来上がり。

本日のダンツマ達人…山崎幸夫さん

▽山崎幸夫(やまざき・ゆきお)
 1981年、東京都生まれ。大学在学中にプロボクサーに。2勝1敗と順調に戦績を重ねるが九州で食べたもつ鍋に感動し、和食の世界へ。銀座や赤坂の和食料理店で修業を積み、ふぐの調理師免許も取得。ほとんどの料理を大将ひとりが切り盛りするが、フットワークのよさと、こまやかな心配りで地元で愛される店になっている。


▽魚料理もつ鍋 山咲き
 ゆったりとできる空間で、新鮮な魚をリーズナブルに味わっていただきたいをコンセプトに2011年11月に開業。店を構える市川は“千葉の鎌倉”とも呼ばれ、作家・永井荷風も晩年を過ごした。食材は豊洲と船橋の市場で仕入れている。びっしりと書かれた日替わりメニューをはじめ、常連客を飽きさせない創作和食が人気。もつ鍋は2人前からだが、料理は1人前に取り分けてくれるため、おひとりさまの常連も少なくない。

千葉県市川市南八幡4-5-20 クローバービル1階

(日刊ゲンダイ2020年2月6日付記事を再編集)

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