出版社OLが“人妻風俗”に転落した理由 美沙さんのケース#4

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2020-01-11 07:07
投稿日:2019-05-16 06:00

36歳、はじめての風俗デビュー

苦しいはずの風俗勤務、それよりも…

 美沙さんは「奈々子」という源氏名で“人妻風俗”に勤めはじめます。18時までは受験参考書の会社で働き、19時には待機室で客からの指名を待つ毎日。職場の人はもちろん、健斗に知られてはならない……といつもピリピリしていました。

「30代半ばになって風俗で働くなんて……お客にいやがられたり、バカにされたりするんじゃないかと不安でした。でも、実際にはそんないやなことはありませんでした」

 清楚でまじめな美沙さんは実年齢よりも初々しく見え、リピートのお客が付くようになりました。お客の脱いだ服を丁寧にたたみ、言葉づかいもやさしい美沙さんに、

「あんた、本当に良いところの奥さんなんじゃないの? なんでこんな仕事しているの?」

 と、心配するお客もいました。

 風俗ですから手や口での処理をしなければなりません。かなり抵抗があったはずですが、

「正直、健斗にするより楽でした。お客さんとは仕事だから……」

 と、美沙さんは口ごもります。

「健斗は突然……夜明けの4時や5時に私を起こして、口での処理を求めるので……。眠くて舌の動きが止まってしまったり、歯を立ててしまったりすると怒るし。でも、お客さんとは料金通りのことをすればいいだけなので、慣れてしまうと楽でした」

 健斗には、会社で残業していることにしました。風俗のバイトがばれたら健斗は去ってしまうだろう、と美沙さんは細心の注意を払っていたのです。

 しかし、健斗はそんな美沙さんの変化の裏側を執拗に嗅ぎまわっていたのです。ある夜、デリヘルのバイトを終えて帰宅し、健斗が寝ているベッドに入ろうとしたときのことです。

「おかえり、奈々子さん」

 眠っていると思った健斗に源氏名を呼ばれ、美沙さんは凍りつきました。

 次回、「「恋人」「同棲」に見せかけた支配の檻 美沙さんのケース#5」に続きます。

【あわせて読みたい】
夢みたいな新婚生活に落ちた黒い影…志穂さんのケース#1
無言で脅迫するモラハラ夫との2年間…真由さんのケース#1

神田つばき
記事一覧
女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

関連キーワード

エロコク 新着一覧


憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#1
 人の数だけドラマがあり、同時に嫉妬も憎しみも、それ以上の愛や執着もあるのだとしみじみ感じます。前回の「主婦レズビアン」...
蒼井凜花 2019-08-26 12:22 エロコク
男女に聞いた「女性のアンダーヘア事情」どこまで処理する?
 女性のみなさん、アンダーヘア、つまり陰毛の処理はどのようになさっているでしょうか。  10年くらい前まではみんな...
アブノーマルプレイ初心者へ…細いボディーが優秀な相棒に
 コスメブランドが1シーズンに数種類のカラーの口紅を出すように、ラブグッズの世界にもシリーズ展開しているブランドがありま...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
3Aを求める他力本願な自己実現女が騙される救世主男子よ
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
“ママ活”マンガ 男性用と女性用を読み比べたら全然違った
「ママ活」という言葉が盛んに使われるようになったのは、2018年後半頃から。そこから半年ほどを経て、いよいよ「ママ活」を...
内藤みか 2020-05-20 11:23 エロコク
女性器リノベに投資する女たち#2…小陰唇縮小術の費用と中身
 日々鏡で顔を見ない女性はほとんどいないと思いますが、「自分のアソコを毎日見てチェックしている」という女性もまたほとんど...
内蔵されている“舌”が高速で…あっという間に昇天してしまう
 今年一番、勢いのあるメーカーといわれているのが「P×P×P」。ポップなデザイン&パッケージとお手軽価格とで、ネットショ...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
全SNS利用者が読むべき太宰治に学ぶ【恥】リスクヘッジとは?
 48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイットボーイというよ...
女性器リノベに投資する女たち#1…最も多い“小陰唇”の悩み
 20~40代のOLのうち60%近くの女性が、自分の性器の形状にコンプレックスを感じている、という出版社の調査がありまし...
じんわり穏やかな快感…欧米で流行の“あてがう系”ローター
 一見するとPC用品? 昨今のラブグッズは“いかにも”なものがどんどん減っていますが、これはその中でも群を抜いてグッズら...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
プラトンで分かる 2500年ぶりに令和に蘇った【エロス】とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋。男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイット...
男心の大事なポイントは「アダルトビデオ」が教えてくれます
 映画観放題の動画配信サービスはいくつもありますが、実はアダルトビデオ観放題の配信サービスも存在しています。なかには月額...
内藤みか 2019-07-18 06:00 エロコク
“セックスをすると綺麗になる”は本当か? 理学療法士が検証
「セックスをすると綺麗になる」そんな話を耳にしたことはないでしょうか。実際のところどうなのか、なぜ綺麗になるといわれるの...
山本茜 2019-08-14 16:06 エロコク
気づけば奥にまで…初めての女性にもオススメな“植物的”形状
 ずっと以前に読んだ官能小説で、女性主人公が常夏の異国で出会った年下男性の“彼自身”について、「細長くて、植物のような」...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
蜜月編<2>言いまつがい【滑舌悪いVS耳遠い】頂上決戦
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。...
自意識を吹き飛ばす シャイな女性が目覚めた“見られる”快感
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-07-11 18:00 エロコク