姿なき闖入者が破壊した新婚家庭…志穂さんのケース#4

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2020-01-12 05:19
投稿日:2019-08-14 06:01

夫に謝罪されて飛び出した、心の奥底に隠されていた本音

「それまで私は心のどこかで、本当は不倫なんかなかったんだと思いたかったんですね。私が騒がないで、ほんの少しだけイヤな思いを我慢していれば、何もなかったように終わるんだ……と信じたかったんです」

 と、志穂さん。しかし、証拠の品と勇太さんの謝罪を前にすると、心の底から嫌悪感が湧いてきて、目の前が真っ暗になりました。

「志穂ちゃんの気持ちを聞かせてくれ。俺は何でもするから」

 と言われた瞬間、志穂さんの口から思いもかけなかった言葉が飛び出していました。

「離婚……離婚してほしい!」

 初めて離婚という言葉を口にしてみると、夫が不倫をしているかも知れないとわかってからも、離婚を避けるために自分は我慢したり努力したりしてきたんだ、とわかりました。小さなほころびを日々直しながら、黙々と続けてきた編み物が、一気に解けていくような感覚……。

 ずっと努力を続けてきても、一度離婚という言葉を口にしてしまうと、もう元には戻れないと感じる人は多く、志穂さんがまさにそうでした。

神田つばき
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女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

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