「水晶鳥の梅ソースがけ」 食感の秘密は“片栗粉”にあり!

コクハク編集部
更新日:2019-09-10 06:00
投稿日:2019-09-10 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食店「かこい亭」の栫山賢一さんに、トゥルッとした食感がクセになる「水晶鳥の梅ソースがけ」のレシピを教えていただきました。

トゥルッと喉を滑る快感

 まず、食感にびっくり。火を入れた鳥の胸肉にありがちな、パサパサ感は一切ありません。軟らかく、そして、ジューシーなんです。

 喉越しの良さも抜群。トゥルッと滑り込んでくる瞬間は、もう快感です。

 どちらも、片栗粉の“仕事”とのこと。

「関西では、ハモの湯引きに用いられる手法です。いわゆる、水晶づくり。梅のソースも、そこから着想しました。キュウリのスライスと大葉を敷いたお皿に肉を盛り付け、ソースをかける。最後にかつおぶしをパラリ。夏にピッタリでしょ?」

 と、栫山さん。感心するこちらの反応を予想していたかのように、ニヤリとしてらっしゃいました。

 梅のソースがまた秀逸です。

 種を取った梅干しを包丁で叩き、調味料を入れた鍋に放り込んで、煮詰めるそう。弱火で5分。これをよーく冷やしてかけるだけである。

「ソースは冷凍保存が可能です。カチンコチンに凍ることはなく、シャーベット状になるから使いやすい。必要な分だけスプーンですくって解凍する。多めに作って、豚の冷しゃぶ、シメのソーメンにかけてもうまいですよ」

 驚きの食感と快感を味わいましょう。

材料

・鳥の胸肉 1枚(250~300グラム)
・片栗粉 大さじ3
・キュウリ 2分の1本
・大葉 3枚
・かつおぶし 少々

【ソース】
・軟らかい梅干し 5個
・しょうゆ 大さじ1
・みりん 大さじ3
・酒 大さじ2

作り方

 皮を取ってスライスした胸肉の両面に片栗粉をしっかりまぶし、沸騰した湯で2~3分ゆでる。冷水にとり、キッチンペーパーで水気を取ったら、冷蔵庫で冷やしておく。

本日のダンツマ達人…栫山賢一さん

▽かこいやま・けんいち
 鹿児島県出身。高校卒業後、国内外で腕を磨き、35歳で大阪・北新地にシャモ料理店をオープン。瞬く間に人気店となり、15年8月にたったひとりで東京銀座に進出。オーナー、料理人、丁寧な給仕役の“三刀流”で訪れる客の舌と心を満足させている。

▽かこい亭
 祖父直伝の水炊きが自慢。生後10カ月以内の鹿児島産若シャモだけを実に50羽も使って抽出する珠玉の無化調白湯スープは一食の価値がある。
中央区銀座7―5―12 ニューギンザビル8号館地下1階
TEL 03・6228・5689

(日刊ゲンダイ 2017年7月25日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


特別な日に…ちょっぴり贅沢な白ワイン煮「鰻のマトロート」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
コンビニ食材でイタリアン「アニョロッティ・ダル・プリン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のイタリアン「あつあつ リ・カーリ...
軽い苦みがくせになる! 焼酎のおともに「春菊のナムル」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺の焼き鳥店「焼き鳥 しょうちゃん」の...
どこか懐かしい味…「ピリピリこんにゃく」は焼酎と一緒に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は札幌・すすきのの居酒屋「おばんざい屋 まる」の平...
肉汁を逃がさない! ソースが決め手の「豚肉のロースト」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「ささっ」と作れて「とっても」おいしいアボカドのおつまみ
 秋になるとお酒をゆっくり飲みたくなる。そんな日も増えてきませんか? そこで簡単に作れる1品をご紹介します!
ぐっち夫婦 2020-11-10 19:05 フード
自分好みの味に…黄金比率で仕込む「自家製サーモンマリネ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
噛めばジュワッ!名店仕込み「カニと根三つ葉のだし巻き卵」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
普段使いの材料だけで作る「ふわふわ卵の海苔あんかけ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
ひと手間かけた「鮭の竜田揚げ」 濃い味付けにお酒が進む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の和食店「おにくのおすし 浅草店」の南...
アサリたっぷり! 具だくさん「魚介のパスタ」はメインにも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
ビールが進む「鶏ネギの塩焼き」パリッパリの鶏皮が香ばしい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の和食店「おにくのおすし 浅草店」の南...
「ワタリガニと壬生菜のとんぶり和え」薄味仕上げの上品小鉢
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
デザートみたいなおつまみ「ナガノパープル白和え」の意外性
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
「マグロと納豆のユッケ」何にでも!万能ユッケだれの作り方
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の和食店「おにくのおすし 浅草店」の南...
スープも絶品!手羽元と手羽先で作る「鶏肉のトマト煮込み」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...