「きのこのマリネ 半熟卵添え」一晩寝かせてマイルドな味に

コクハク編集部
更新日:2019-12-03 06:00
投稿日:2019-12-03 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・豊中市のフレンチ「ビストロ・リッペ」の中尾匡宏さんに、味わい深い酸味の「きのこのマリネ 半熟卵添え」のレシピを教えていただきました。

ワインを使ったきのこ料理

 これこそフランス料理ならではの味わい。

 白ワイン、白ワインビネガーはブドウが原材料なので、当然、糖分が含まれています。煮詰める前は酸味が強く、酸っぱさを感じますが、煮詰めることで、糖分はそのままで水分がなくなるため、甘味が出るのです。

「酢というのは使い方が面白くて、店で出す時も前日から仕込んでいます。冷やす前は、素材そのものの味がただ煮詰まっただけ。食べた瞬間、酸っぱさだけを感じ、全体的にとんがった味でしかありません。それが冷やすことで、味が馴染んで落ち着き、マイルドになるのです」(中尾さん)

 玉ねぎはシャキシャキで、半熟卵をつけずにそのまま食べてもおいしいのですが、つけるとコクが出て、また違ったテイストになります。料理全体を包み込むような「味わい深い酸味」が特徴です。

「家庭できのこ料理というと、例えばガーリックソテーとかありふれていて、煮詰めた料理を作ることはあまりない。一日冷蔵庫で冷やすという、ひと手間を惜しまないところがポイントです。これくらいの手間なら簡単ですし、それでおいしさが増すのですから。ひと手間をかけない手はないでしょう。ヨーロッパにはきのこの郷土料理が数多くあり、長野県の白馬村に住んでいた時に、きのこのおいしさを実感しました。マッシュルームに比べ高価ですが、ポルチーニ茸なんかも抜群に合います」(中尾さん)

【材料 2人前】

・しいたけ 80グラム
・しめじ 70グラム
・マッシュルーム 50グラム
・にんにく 1片
・玉ねぎ 75グラム
・半熟卵 2個
・塩 5グラム
・こしょう 適量
・白ワイン 100グラム
・白ワインビネガー 50㏄
・オリーブオイル 30㏄

【レシピ】

1. まず、オリーブオイルを全体の分量の3分の1の10㏄だけ入れる。
2. にんにく1片をそのまま焼き、香りを出す。
3. 香りが出てきたら、きのこ類、厚めにスライスした玉ねぎを投入し、塩、こしょうで軽く炒める。
4. 白ワインと白ワインビネガーを入れ、時々混ぜながら、水分がなくなるまで煮詰める。
5. 残りのオリーブオイル20㏄を入れ、粗熱が取れたら、冷蔵庫で一日、冷やす。
6. 5分間ボイルした半熟卵を、きのこの上に盛り付ける。

本日のダンツマ達人…中尾匡宏さん

▽なかお・まさひろ
 1966年、豊中市生まれ。高校時代、飲食店でアルバイトしたのをきっかけに料理人を志す。31歳で独立。97年、大阪・箕面市で仏料理店「ケセラセラ」をオープン。03年、店名を変え、豊中に移転。

▽ビストロ・リッペ
 リッペとは仏語で「一口のごちそう」の意。ランチは週替わり、ディナーは月替わりでともに3種類。アラカルトは夜のみで約30種類。市場で魚介、肉などお気に入りの素材を仕入れ、信楽焼を中心とした器に盛り付けられる。「おいしく、楽しく、リーズナブルに日常的なフランス料理を」が基本的コンセプトだ。
豊中市末広町1―1―8
℡06・6858・3122(水曜、第3木曜定休日)

(日刊ゲンダイ2018年12月6日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


お手軽「ホタテフライのカシスソースとらっきょうタルタル」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
青森のソウルフードで「切込みのピザ」 発酵食品の三重奏
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
「キノコサーディン」缶のままコンロで加熱するだけで美味!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...
便利アイテムを活用!“手抜き”美味レシピ 2022.1.6(木)
 料理が苦手です。子どもの頃からそうでした。母のお手伝いをした記憶は皆無だし、調理実習やキャンプなどではいつも小さくなっ...
失敗しない「カマンベールフォンデュ」 温め直しOKの手軽さ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...
味変は食べるラー油で!「酒の供」納豆に卵黄とノリの三重奏
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...
“ダンク”バーガーに挑戦! 2022.1.1(土)
 新年あけましておめでとうございます。2022年の元旦、いかがお過ごしでしょうか? 年末年始&お正月休みで、暇を持て余し...
箸が止まらなくなる!「万能薬味」肉にもスパイス料理にも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...
作り方は超簡単! 「ガリ豆腐」人気店の箸休めをアレンジ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...
香ばしくてトロトロ!「チーズ餅」イクラや明太子と合わせて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「bar NIKOKO」の乾喜代子...
ネコのシューミルフィーユ 2021.12.25(土)
 今年も残すところあと7日。冬至を迎え、寒さも忙しさも極まって参りました。クリスマスから年末年始にかけて、何かとケーキや...
「ラタトゥイユの牛肉煮込み」ローリエをたっぷりがポイント
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「bar NIKOKO」の乾喜代子...
無印でも展開!コオロギのお菓子ってどうよ2021.12.23(木)
 12月15日、無印良品を展開する良品企画が「コオロギチョコ」を販売しました。全国の無印良品限定221店舗、および公式ネ...
お酒のアテになる「フルーツスムージー」 二日酔い防止にも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「bar NIKOKO」の乾喜代子...
東京浅草で出合った「山川光男」の正体 2021.12.21(火)
 前々から気になっていた「やきとん たくちゃん」(東京・浅草)へ。大ヒット! ねぎまもせせりも1本150円というお財布に...
「ピクルス&ロースト松の実」シンプルなものが一番おいしい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「bar NIKOKO」の乾喜代子...