「鶏とあさりのブイヨン」フレンチの基本をおウチで作る

コクハク編集部
更新日:2020-02-24 06:00
投稿日:2020-02-24 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU」山下泰史さんに、奥行きのある優しい味の「鶏とあさりのブイヨン」のレシピを教えていただきました。

ほのかにエスニック風

「鶏肉とあさりを煮込むと1時間くらいでスープの味が出始めるのですが、2時間くらい煮込んだ方がしっかりと出ます。ナンプラーや塩で味を調えてやってください」

 ナンプラーとは、タイの魚醤。アジアンの香りがする調味料ですが、なんでまたフレンチに?

「醤油を使うと“和”が強くなりすぎるから、いろんな種類の魚油や肉醤を使います。フレンチに和のテイストを入れるメニューが多いのですが、味噌やカツオ節も同じ理由で使いません」

 同店ではランチもディナーもコンソメスープからスタートします。今回のブイヨンは、それを家庭用に応用したもの。

「料理人を目指し始めたころ、トラディショナルな料理がちゃんとできるようになりたかったんです。だから、今でもフレンチの基本であるコンソメは作り続けています」

 まずは澄んだ黄金のスープをスプーンに取って口に運んでみると……。うん、鶏とあさりの出汁が、想像以上にしっかりと出ています。ナンプラーが入っているためなのか、ほのかにエスニック風で、奥行きのある優しい味。フルーティーな純米吟醸との“競演”も麗しく、余韻を残す品です。

【材料】

・鶏の手羽先 200グラム
・あさり 250グラム
・水 1.2リットル
・ナンプラー 少々
・塩 少々
・バージンオイル 少々

【レシピ】

1. 手羽先とあさりを入れた鍋に水を張り、強火で沸騰させ、弱火で1~2時間煮込む。
2. ナンプラー、塩、バージンオイルを入れ、好みで三つ葉やパクチーや春菊など、香りの強い野菜を入れる(あさりは出汁用)。

本日のダンツマ達人…山下泰史さん

▽やました・たいし
 調理師専門学校を卒業後、長崎、京都、パリで研さんを積んだのち、東京・恵比寿の「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」や西麻布「アムール」で鍛錬を重ねた。2016年、福岡市にガストロノミーフレンチ「TT0AHISU」をオープン。「何が出てくるかわからないから楽しみ」と、地元の人はもとより、海外や東京からの健啖家も多い。

▽トアヒス
 メニューは「シェフお任せコース」のみ。正統派フレンチのコンソメスープはもちろん、郷土料理のうどん、パクチーなどのエスニック調も出す。カテゴリーはフレンチだが、あらゆる枠組みを超えた「Madein Japan」のガストロノミーレストランだ。福岡県福岡市中央区大手門3―12―12 BLDG64 1F。

(日刊ゲンダイ2019年3月26日付記事を再編集)

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