薬食同源を味わう
朝鮮料理には、「ヤンニョム」という言葉があります。
薬味や香辛料を含む調味料の総称で、漢字では「薬念」と書くのだそう。薬食同源という思想がそこには根付いています。
許さんが、料理に化学調味料や合成保存料を一切つかわず、調味料も自家製にこだわるのは、そのため。
今回の「焼きナスのナムル」も、素材の味が引き立つ一品。「ナスのナムル」ではなく、「焼きナスの」というところがポイントです。
じか火で皮を焼いたナスの実は香ばしく、ほのかな苦味があります。これが、粉唐辛子の辛味をピリッと効かせたポン酢にピッタリ。最後に、風味とコクをプラスするごま油を垂らしかけるのをお忘れなく。
【材料】
・ナス 1本
・ポン酢
・かつお節
・白ゴマ
・粉唐辛子
・小口切りした万能ねぎ
・ごま油
(各適量)
【作り方】
ナスの表面をじか火であぶり、氷水に入れて皮をむく。下処理したナスの水気をキッチンペーパーで取り、一口大に切る。その上にポン酢以下の材料をかけ、最後にごま油を垂らしかけたら完成。
本日のダンツマ達人…許聖周さん
▽ほ・そんじゅ
1983年、東京都生まれ。高校卒業後、モランボン調理師専門学校で朝鮮料理を専攻。荒川区の有名焼き肉店で研さんを積み、2010年に独立。従来の焼き肉店の枠に収まらない、独創的なメニューを生み出す。トリュフオイルを利かせた人気メニュー「和牛モモと海老ホタテのフュージョン」などフレンチをはじめとする洋食にも造詣が深い。
▽やきにく たんせい
許さんが10年に根津本店、15年に谷中店をオープン。化学調味料は一切使わないとあって、素材へのこだわりは人一倍。自慢の肉はA5ランクの黒毛和牛のみを使用。産地やブランドより肉質そのものを重視する。食肉卸店を営む家に生まれ育っただけに、目利きは本物。予約必須の人気店だ。谷中店はワイン、日本酒が充実する。台東区谷中7―18―16。
(日刊ゲンダイ2019年8月16日付記事を再編集)
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