夏に食べたいモツ料理「豚白モツのゼリー寄せ、夏野菜添え」

コクハク編集部
更新日:2020-07-30 06:00
投稿日:2020-07-30 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のミシュランにも掲載された割烹「ふく田 」の福田利明さんに、サラダ仕立ての「豚白モツのゼリー寄せ、夏野菜添え」のレシピを教えていただきました。

コッテリでも爽やか!

 豚でも牛でも、モツは煮込みが定番。辛みそなどで炒めれば、ツマミにもご飯のおかずにもなります。が、ゼリー寄せとは意外です。

「難しそうに思われるかもしれませんが、簡単です。玉ネギとショウガと一緒にモツを煮込んだら、ゼラチンを加えて冷蔵庫で冷やすだけ。味つけ? 出汁のもとを使うと、醤油などで味を調える必要がありますが、コンソメならその手間もいりませんから」

 腹ペコの食いしん坊が料理を前に自然と笑顔になるように、笑いながら語る福田さんの説明を聞くと、どんな料理も簡単そうに思えるから不思議です。モツは、スーパーなどで下処理が済んだものを用意。準備も下ごしらえも手抜きでよし。

 コッテリとしたモツ料理をサッパリとした夏の一皿に仕上げるのが福田流です。

「ニンジン、キュウリ、ミョウガ、ショウガ、セロリをすべて千切りして盛りつけます。その上にゼリー寄せを崩しかけ、サラダ仕立てで食べるんですよ」

 ドレッシング代わりに白ゴマを加えた醤油を少しだけ垂らして口に運ぶと、特にミョウガとセロリの香りが口の中に涼を呼ぶ。「これがモツ料理か!」という爽やかさです。その反応を予想していたのか、「涼しげでしょ」と笑っていました。

 たっぷりの野菜とともにタンパク質もしっかり取れちゃう。これなら疲れた胃袋にもスッと収まります。

【材料】(4人分)

ゼリー寄せ
・水       600㏄
・豚の白モツ   200グラム
・玉ネギ     2分の1個
・ショウガ    1片
・コンソメのもと 1個 (出汁のもとなら小さじ2と醤油を大さじ1杯)
・ゼラチン    10グラム

夏野菜添え
・キュウリ    1本
・ニンジン    半分
・ミョウガ    4個
・ショウガ    1片
・セロリ     1本

【作り方】

 ゼリー寄せの野菜は、玉ネギは串切り、ショウガは千切りに。600㏄の水に好みのスープのもとを入れて、モツと玉ネギなどを煮る。20分ほど煮込んで食材に火が通ったら、鍋を火からおろして粉ゼラチンを加えて混ぜる。粗熱を取ったらカップや器に入れて冷蔵庫で寝かせれば完成。サラダ用の野菜は、すべて4~5センチの千切りに。セロリは葉と茎に分けてから、茎にある筋を取り除いてから切る。

本日のダンツマ達人…福田利明さん

▽ふくだ・としあき
 埼玉県朝霞市出身。東京・銀座を中心に修業を重ねて、15年前に独立。丁寧な仕事で素材を引き立て、色鮮やかに、なおかつ惜しみなく盛り付けるのは、大柄な体格の“ヘビー級料理人”ならでは。

▽ふく田
 築地で仕入れた新鮮な魚介を中心に、ひと手間加えた料理で客をもてなす。初めて訪れた人はまるで“一品料理”のような突き出しに驚く。「ゆっくり食べてほしい」との思いから、店は1回転のみ。ダッチオーブン仕上げの「やまゆりポーク」ほか名物料理多数。ミシュラン掲載。日・月曜休。PM6~9(LO)。東京都江東区牡丹3―27―6。

(日刊ゲンダイ2017年9月5日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「スイカと梅干しのガスパッチョ」食欲がない日こそ作りたい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
夏に何度も作りたくなる「ジャガイモのフェンネル風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白金高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
華やかな色合いの「ビーツとブルーチーズ」は独特の味と風味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫・芦屋のビストロ「Isshiki」の一色幸作...
「ししとうと塩昆布のクリームチーズ和え」意外な組み合わせ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「IZAKAYA P/ma」の丸...
「カツオの魚醤マリネ」カツオは分厚く切るのがオススメ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のダイニングバー「麦酒屋るぷりん」の海...
「豚肉の大葉焼き」特製タレが絡んだ豚バラに酒もご飯も進む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
「生ピーマンの肉みそのっけ」生のピーマンのおいしさを実感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「小料理 百けん」の松﨑友江さん...
「イワシとバナナとゴルゴンゾーラとハーブ」奇想天外でも…
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
「冷奴イタリア風」ナンプラーのちょい足しでエスニック感も
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・水天宮のワイン酒場「富士屋本店 日本橋浜町...
新提案!時短“厚揚げたこ焼き”は粉モノ好きに試して欲しい☆
 外出自粛が少しずつ緩和され、会社に出勤される方も増えてきたのではないでしょうか。それにともなって、また遅い時間に帰宅す...
ぐっち夫婦 2020-07-31 11:30 フード
「ニラトン」高知県が誇る日本一のニラをふんだんに使って
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
「おかかみょうが」鮮烈なみょうがの香りと爽やかさを味わう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のダイニングバー「麦酒屋るぷりん」の海...
「焦がし醤油のポテサラ」濃縮された醤油味でビールが進む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「小料理 百けん」の松﨑友江さん...
「鶏レバーのコンフィと杏ジャム」甘酸っぱいジャムが合う
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
「レタスの熱油かけ」いつものレタスが贅沢なおつまみに変身
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
本場では冬の食べ物でも…日本では夏に最適な「和風冷麺」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...