「さんまのプッタネスカ」香りも見た目も食欲そそる旨パスタ

コクハク編集部
更新日:2020-12-01 06:00
投稿日:2020-12-01 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫・六甲の生パスタ専門店「BRABONO」の黒田昇平さんに、さんまとトマトソースの相性が抜群な「さんまのプッタネスカ」のレシピを教えていただきました。

さんまの脂がソースと生パスタに染みる

 しっかり脂が乗ったさんまのうま味が、トマトソースと生パスタに染み込んだ一品だ。

「プッタネスカ(娼婦風)」とは、缶詰や瓶詰など、家庭にある材料で簡単に作れるもの。さんまとトマトソースの相性が抜群で、味はマイルド、香りと見た目も食欲をそそる。

 そもそも店を始めるにあたり、「売り」にしたのが生パスタ。一般的に「アルデンテ」=正しい茹で方というイメージがあるが、それは乾麺の話。

「しっかり火を通しての歯ごたえなら分かるのですが、ただ茹で時間が短いだけで芯が残った硬い麺に納得がいかなかった。生麺は最初から水分が回っている状態なので、芯が残った硬さにはならず、歯ごたえがあって麺にソースの味が乗りやすいのです」

 季節によって、マグロのほほ肉やイワシ、アジなどを使ってもいけるのだが、やはり秋はさんまが一番。さんまから出た脂がトマトソースに混ざり、そのソースが生パスタに染み込み、乾麺では出せない味わいになっている。

【材料】(2人前)

・さんま      1尾
・アンチョビー   2分の1切れ
・ホールトマト   60グラム
・白ワイン     適量
・オリーブ     20グラム
・ケッパー     10グラム
・にんにく     2分の1片
・オリーブオイル  適量

【レシピ】

(1)フライパンにオリーブオイルを入れてにんにくを炒め、三枚におろしたさんまを表面に焦げ目がつくまでしっかり焼く。
(2)さんまをいったん取り出し、残った油の中にホールトマト、白ワイン、アンチョビー、オリーブ、ケッパーを放り込む。
(3)生パスタを3分間茹でて、茹で汁をトマトソースに入れる。

本日のダンツマ達人…黒田昇平さん

▽くろだ・しょうへい
 神戸市灘区出身。高卒後、辻調理師専門学校に進学し、和洋中料理を学び、最終的にイタリアンを選択。神戸市の「メリケンパークオリエンタルホテル」を経て、西宮市夙川の老舗イタリアン「江坂」などで修業を積み、2011年、自家製生パスタの店「BRABONO」をオープン。

▽BRABONO
 生パスタ専門店だけあって、パスタの種類は実に豊富。タリオリーニ(1・5ミリ)、タリアテッレ(4ミリ)、フェットチーネ(8ミリ)など30種類以上あり、毎日、麺を手打ちしている。材料にこだわる近隣の飲食店がわざわざ同店の生パスタを仕入れ、メニューに加えているほど。アラカルトや季節に応じた肉、魚料理、ショコラテリーヌなどのドルチェも人気だ。神戸市灘区高徳町6―1―8。

(日刊ゲンダイ2019年12月4日付記事を再編集)

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