出汁を使わない「うまき」 卵液はウナギのタレと水で溶く

コクハク編集部
更新日:2021-10-24 06:00
投稿日:2021-10-24 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・日本橋の鰻串焼き居酒屋「心天」の林成さんに、タレと水で卵を溶いて作る「うまき」のレシピを教えていただきました。

卵の甘味の後からウナギのウマ味が

「写真、終わった? 冷めないうちに食べて」

 林さんが強く試食を勧めたのが、うまきです。おっしゃる通り、温かいうちに食べてこその料理。撮影を終えて箸を伸ばすと、卵の甘味の後からウナギのウマ味が追いかけてきます。出汁醤油がいいあんばいで、しみじみと美味しい。

「ウチは、卵に出汁を入れてないよ」

 え、ウソ? カメラマンと2人、そんなはずはないと、卵の部分だけもう一口。間違いなく感じるウマ味。出汁ではないの?

「ウナギのタレと水で卵を溶くの」

 なるほど! 店のタレは、ウナギのウマ味がたっぷりで、素晴らしい出汁です。卵液をタレと水でのばしていたとは驚き。でも、そんなタレを家庭では再現できません。このレシピでは、少々のウマ味調味料を加えています。

「ウナギは、卵焼き器の横幅に合わせて切ると、巻きやすいよ」

 巻き方の要領は、出汁巻き卵と同じ。しっかり覚えて家族に振る舞えば、株が上がること間違いなしです。

材料

・ウナギ 4分の1尾
・サラダ油 小さじ2

卵液
・卵 2個
・ウナギのタレ 15㏄
・水 90㏄
・砂糖 少々
・ウマ味調味料 少々

ウナギのタレ
・氷砂糖 30グラム
・みりん 50㏄
・濃い口醤油 50㏄

レシピ

(1)ウナギのタレを鍋にすべて入れて煮詰める。氷砂糖が溶ければOK(市販のかば焼きのタレを使うなら、この工程はパス)
(2)1が冷めたら、卵液と合わせ、よく混ぜる
(3)熱した卵焼き器にサラダ油を入れ、余分な油をキッチンペーパーなどで拭き取る
(4)3に2の3分の1の卵液を入れ、ウナギを奥にのせて手前に巻いていく
「箸での作業が難しければ、フライパン返しを使うと簡単だね」
(5)4の空いている部分にペーパーで油を塗り、卵を奥に移動。手前にも油を塗ったら、残りの卵液の半分を加え、手前に巻いていく
(6)5をもう一度繰り返して巻き終わったら、巻きすなどで形を整え、4等分に切る。器に盛ったら、出来上がり

本日のダンツマ達人…仲島宏明さん

▽林 成(りん せい)
 中国福建省出身。沖縄留学で来日し、その後東京へ。新橋の「うな新」(閉店)で修業し、ウナギ職人の道へ。12年前に独立。ウナギの串焼きは、愛知・三河産を注文を受けてからさばく。「僕より包丁さばきが速い人は見たことない」

▽心天
 ウナギの串焼き居酒屋。骨と骨の間に残る赤身の「赤ばら」、その上の白身「白ばら」、皮を巻いた「串巻」など部位ごとに分けた串は、1本300円前後。ウナギの紹興酒煮(980円)をはじめオリジナルメニューも充実している。東京都中央区日本橋蛎殻町1―14―7。

(日刊ゲンダイ2021年10月14日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「トマトとナスのラタトゥイユ」作り置きすれば何かと便利
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の創作居酒屋「じんから」の堅谷博さん...
シンプルだからこそ素材にはこだって作りたい「ウフマヨ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
醤油が効いたキレのよさ…かえしを使った「そば屋の焼き鳥」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の「そば処 築地長生庵」の松本憲明さん...
玉ねぎとチーズの食感が食欲を誘う「セルベル・ド・カニュ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のフレンチ「ガンゲット・ラ・シェーブル...
ぐっち家のド定番!ブロッコリーとクリチのごまおかか和え
 今回はぐっち夫婦が普段からよく作る「クリームチーズ」を使ったおつまみをご紹介します! クリームチーズというと、なんとな...
ぐっち夫婦 2019-11-17 20:32 フード
ひよこ豆の粉を使った「パジア」 おいしさの決め手は水加減
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
「蒜泥白肉」豚バラ肉にニンニクをたっぷり絡めてがっつりと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の...
酸味と辛味でお酒がすすむ「イカとレタスのチョレギサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
干し貝柱のうま味がたっぷり「簡単おいしいシューマイ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、干し...
カリカリ&トローリ…自分好みに作れちゃう「自家製厚揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
定番のお鍋だけじゃもったいない「春菊のナムルとおひたし」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「あげ納豆」うま味調味料のちょい足しでお店の味に大変身
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
「白魚の卵とじ」お出汁をたっぷり吸った白魚を卵と一緒に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
胃袋狙い撃ち!彼に作ってあげたいハンバーグでキーマカレー
「オトコの胃袋をつかんだら勝ち!」とはよく言ったものですが、実際に料理上手の女性は人気が高いですよね。だったら、善は急げ...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:03 フード
「豚のスペアリブのみそ漬け」お肉好きにはたまらない一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ 」の市川路朗さん...
表面のチーズが焦げたら食べ頃「トマトとツナのチーズ焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...