まるでフォアグラのようなコクとうまみの「半生鶏レバー」

コクハク編集部
更新日:2019-07-02 13:05
投稿日:2019-05-20 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さんに、低温調理で濃厚さを引き出す「半生鶏レバー」のレシピを教えていただきました。

低温調理がポイント

 とにかく濃厚なんです。一口食べるとコクのあるレバーの風味が口の中にパァーッと広がって…。ほとんど上質なレバーペースト。フォアグラのような食感です。

「クリーミーで口の中で溶けるでしょ」と店主、自慢の一品だそうです。どこにでも売っているレバーが絶品になるのは、低温でゆっくりと調理しているから。温度が低いと繊維を壊さないので、火を入れても硬くならないとのこと。中まで火が通っているのに、不思議なほど軟らかくてみずみずしい味わいです。

 ちょっと時間はかかりますが、作り方はカンタン。手間いらずなのも嬉しいところ。

「まず、レバーを塩水に90分ほど漬けて下さい。中まで塩が回ります。90分経ったら、塩味が染みたレバーをジップロックに入れて密封し、60度のお湯で1時間、加熱します。温度が70度を超えるとレバーが硬くなるので要注意です。鍋からあげた後、しばらく水が出るので、ザルにあけて水気を切って下さい。水気がなくなったら、サラダ油に浸します。最後にゴマ油と醤油を適量たらせば完成です。好みでネギをかけて下さい」

 味つけはシンプルなのに、ハーブを入れたような香りがします。レバー独特の臭みは、まったく感じられません。

 飲む酒は、赤ワインで決まり。濃厚なレバーの味に負けない、重いモノを選びたいですね。

 ちなみに、写真の奥は、同じ調理法で作った鶏の胸肉です。こちらもよろしければぜひ挑戦してみてください。

【材料】

・レバー
・塩
・サラダ油
・ゴマ油
・醤油
・ネギ

【レシピ】

 

1. レバーを15%の濃度の塩水に90分間漬ける。
2. 軽く水気を取ったら、レバーをジップロックに入れて密封して、60度の温度の鍋に1時間かける。レバーの菌は60度以上で死滅する。70度以上だとレバーが硬くなるので要注意。
3. 鍋からあげたら水気を取り、サラダ油に漬けた後、最後にゴマ油と醤油をたらす。好みでネギを加える。

本日のダンツマ達人…村瀬文吾さん

▽むらせ・ぶんご
 鮮魚店が経営する居酒屋「魚真」で10年間修業。魚を徹底的に勉強し、33歳の時、独立。

▼よしだかいがん
 営業時間は夕方6時から朝6時まで。魚がおいしいと評判の店。常連客は刺し身を目当てに通ってくる。早い時間は近所のサラリーマンが多いが、新宿2丁目のど真ん中という立地もあって、深夜から朝方は2丁目の住民が多い。
東京都新宿区新宿2―13―6
℡03・5379・5488
不定休

(日刊ゲンダイ2018年5月22日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


刺し身を使った簡単アレンジ「カツオとウドのなめろう」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、居...
「つぶしなます」盛りつけ前に指でギューッとつぶすのがコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・品川の「あじろ定置網」の西潟正人さんに、ウ...
ホクッとプリプリ「そら豆とエビのクリームチーズ和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
白ワインと一緒に「ソーセージとクレソンのペペロンチーニ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「イワシのリングアータ」脂の乗った身をサッパリといただく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の隠れ家イタリアン「ピノサリーチェ」の...
自家製の万能ダレが食欲をそそる「手羽先の甘だれ炒め煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
「アジのパクチーなめろう」和の肴とパクチーの意外な好相性
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
春の味覚「ホタルイカとカブのマリネ」はひと手間でプロの味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
使う食材は2つだけ「菜の花のからし和え」は春らしさ満開!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
「イカ海鮮水餃子」出汁たっぷりの卵と海鮮の甘さがピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前の中華料理店「チャイナサーカス」の劉...
スパイシーさが新しい「カツオと山芋のスパイスオイル和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
「カキのワイン蒸しトマトサルサ添え」濃厚なのにサッパリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
あっさり「ベーコンと玉ネギの和え物」は箸休めにうれしい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
新潟の伝統調味料がいい仕事する「タコとかんずりベーコン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「菜の花の昆布締め」染み込んだ出汁とほんのりした苦み
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、...
テンメンジャンを使った「マグロユッケ」甘めの優しい味わい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...