「ちりめんじゃこの山椒煮」旬の香りがふわ~っと鼻に抜ける

コクハク編集部
更新日:2020-04-28 06:00
投稿日:2020-04-28 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さんに、手間なしで作れる「ちりめんじゃこの山椒煮」のレシピを教えていただきました。

旬を迎える山椒の香りがアクセント

 イワシの稚魚を塩水で茹でて天日に干した「ちりめんじゃこ」は、サイズは小さいのにうま味が強い食材です。余分な水分が抜けてうま味が凝縮しているからで、少し加えるだけでも風味が増し、食感が面白くなります。

 だからでしょうか、和洋中とジャンルを問わず、いろんな料理に使われてきました。葉野菜や油揚げと一緒に煮たり、炒めたり、和えたり。梅干し、ワカメ、アツアツのご飯で作るおにぎりもおいしいし、パスタ、チャーハン、チヂミに加えるのもいいですよね。どんな食材と組んでも邪魔にならずに主張するところが、重宝されるゆえんでしょう。

 そのうま味をシンプルに引き出したのが、このおツマミ。日本酒と醤油の風味をプラスして、山椒でアクセントを加える。なんとも簡単で手間もかからないのですが、適度な塩っ気と相まってお酒を誘うのです。

「山椒の実はこれからが旬です。旬のモノは香りと辛味が強いので、おいしいですよ」

 箸でつまんで口に運ぶと、山椒の香りがふわ~っと鼻に抜けます。しみじみと味わいたいですね。

【材料】

・ちりめんじゃこ
・山椒の実
・日本酒
・醤油  (それぞれ適量)

【レシピ】

1. 鍋にちりめんじゃこを入れ、ひたひたになるまで日本酒を入れ、火にかける。
2. 少し煮詰まったら醤油を加え、さらに煮る。
3. 最後に山椒の実を加え、水分がなくなるまで煮詰める。

今日のダンツマ達人…岡田幸造さん

▽おかだ・こうぞう
 1959年、東京都生まれ。慶応義塾大卒。新橋の料亭「松山」で修業したのち、86年から2代目の父・千代造と一緒に厨房に入る。祖父・庄次が築いた江戸の味を守りながら、挑戦も続けている。

▽はちまきおかだ
 1916(大正5)年に京橋区尾張町(現・銀座5丁目)で開業。昨年10月、創業101年を迎えた。水上瀧太郎、久保田万太郎、川口松太郎、吉田健一、山口瞳ら多くの文人に愛されてきた銀座の老舗。戦争や都市計画のあおりで、1968(昭和43)年に現在の地に移転した。中央区銀座3―7―21。

(日刊ゲンダイ2018年4月13日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


玉味噌の風味とナスが溶け合う「米ナスの田楽牛肉添え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・流山市の老舗割烹「割烹柳家」の青柳宏幸さ...
「きのこのマリネ 半熟卵添え」一晩寝かせてマイルドな味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・豊中市のフレンチ「ビストロ・リッペ」の中尾...
【パクチーえび餃子】パクラー集合! お好みで追いパクも♡
「仲良しメンバーで年末集まろ~!」「鍋パーティーしよ~!」などとワイワイごはん会の計画を立てている方に朗報です!(笑)今...
ぐっち夫婦 2020-01-15 14:57 フード
外はカリッと中はふわっふわ「ジャガイモとツナのフリコ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のイタリアン「あつあつ リ・カーリ...
砂肝の皮を使った「砂肝ポン酢」 コリコリ食感がやみつきに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺の焼き鳥店「焼き鳥 しょうちゃん」の...
すし酢を使ってまろやかな味に「トマトとバジルのマリネ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は札幌・すすきのの居酒屋「おばんざい屋 まる」の平...
「シュークルート」寒い夜は煮込み料理で体の芯から温まろう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
「数の子の芋サラダ」定番のポテトサラダが“和”のおつまみに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
おなじみのスナック菓子が大変身!お手軽「ポテサラ明太」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
銀座の名店の味を自宅でも!ヘルシーな「季節野菜のマリネ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
肝を加えてコクを出す「サンマとクリームチーズのリエット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は沖縄・那覇のビストロ「Refuge」の大城忍さん...
ボージョレに合う!はちみつが隠し味のコク旨♡カプレーゼ
 この時期が来ると、デパートやスーパーの食品売り場は(待ってました!? の)“ボージョレムード一色”になりますね♪ ぐっ...
ぐっち夫婦 2020-01-15 14:56 フード
「コンビーフのトマト煮」簡単&豪快調理なのに優しい味わい
伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「純米酒 三品」の稲原春香さんに...
「ホタテと春菊のワサビ和え」茹でずに焼くのが味の決め手
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...
お肉を使わないからサッパリヘルシー「白いマーボー豆腐」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・小樽のロードレストラン「シルフィード」の...
「タコ、ジャガイモ、オリーブのサラダ アンチョビー風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥール...