濃厚な香りと風味を楽しむ「マンステールチーズのグラタン」

コクハク編集部
更新日:2019-07-05 06:00
投稿日:2019-07-05 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さんに、独特の風味がクセになる「マンステールチーズのグラタン」のレシピを教えていただきました。

ミルキーでこっくりとした「くさうま」メニュー

 今回教えていただいた万能グラタンソースは余ったら小分けにして冷凍保存もOK。

「鍋全体を冷やす工程は冷蔵庫から出した牛乳の温度に合わせるため。そうすると、混ぜ合わせてもダマになりにくいんですよ。じゃがいもの代わりにカキ、エビ、白子といった魚介類と合わせても絶品ですよ」(オーナーの富田さん)

 コツは不要ですが、しいていうなら、強烈なにおいが癖になるマンステールチーズを用意すること。ドイツ国境付近のアルザス地方を代表するもので、もともと修道院で作られていた長い歴史を持つ乳牛のチーズです。

「ナチュラルチーズはレアな種類であればあるほど、賞味期限が迫れば、お買い得品になります。それを狙って作るといいかもしれませんね」という富田さん。その言葉通り、スーパーの冷蔵コーナーに行くと……ありましたよ、30%オフ(ちなみに通常価格でも1000円程度)。

 芳醇でこっくりとした味わいは、アルザスを代表する白ワイン〈ゲヴェルツトラミネール〉を合わせても。地元の料理は地元のお酒と相性バツグンです。

【材料】

・無塩バター 60グラム
・強力粉 60グラム
・塩 10グラム前後
・牛乳 1リットル
・マンステールチーズ 適量
・じゃがいも 適量

【レシピ】

1. 万能グラタンソースを作る。鍋に、バターと、ふるいにかけた強力粉を加え、弱火でよく練り混ぜる。焼いたクッキーのような香ばしい香りがしたら、火からあげ、冷たい水で鍋全体を冷やす。
2. 完全に冷えたら、塩と冷蔵庫から出した牛乳を一気に加え、再び火にかける。ホイッパーで焦げないように粘り気が出てくるまで混ぜ合わせ、表面にプクプクと気泡が出てきたら出来上がり。
3. 耐熱容器に2のグラタンソース、茹でて好みの大きさにカットしたじゃがいも、好みの大きさにカットしたマンステールチーズをのせ200度前後のトースターで焦げ目がつくまで焼き上げる。

本日のダンツマ達人…斎藤光さん

▽ジョンティ
 オーナーの富田裕之さんが都内300軒以上の物件を歩き回り、ベストを探し出したという浅草橋に店を構えたのは、2009年5月のこと。都内の老舗洋菓子店でパティシエを務めたのち、ワインに魅了されると同時に飲食のサービス業に開眼。フランスの各地を旅するうち、アルザス地方の街並み、料理、ワインに惚れ込み、おいしい酒と料理とお客をつなぐという精神のもと、アルザスに特化した専門店をオープンさせる。

 大きな黒板に書かれたメニューはざっと約40種類。本日のモツ料理、グラタン、お魚料理といった定番の日替わりメニューに心躍るワイン好きの食いしん坊にはたまらないオトナ向けの食堂だ。

 厨房を任されている斉藤光シェフの腕は安定感抜群でファンが多く、冬の風物詩であるイノシシやウサギといったジビエ料理も3月末まで楽しめる。

東京都台東区浅草橋2―5―3
℡03・5829・9971
11時半~14」時LO、18時~21時半LO(土日祝/12~15時LO、18~21時LO)
水曜・第3火曜休

(日刊ゲンダイ2018年11月8日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


刺し身を使った簡単アレンジ「カツオとウドのなめろう」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、居...
「つぶしなます」盛りつけ前に指でギューッとつぶすのがコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・品川の「あじろ定置網」の西潟正人さんに、ウ...
ホクッとプリプリ「そら豆とエビのクリームチーズ和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
白ワインと一緒に「ソーセージとクレソンのペペロンチーニ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「イワシのリングアータ」脂の乗った身をサッパリといただく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の隠れ家イタリアン「ピノサリーチェ」の...
自家製の万能ダレが食欲をそそる「手羽先の甘だれ炒め煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
「アジのパクチーなめろう」和の肴とパクチーの意外な好相性
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
春の味覚「ホタルイカとカブのマリネ」はひと手間でプロの味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
使う食材は2つだけ「菜の花のからし和え」は春らしさ満開!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
「イカ海鮮水餃子」出汁たっぷりの卵と海鮮の甘さがピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前の中華料理店「チャイナサーカス」の劉...
スパイシーさが新しい「カツオと山芋のスパイスオイル和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
「カキのワイン蒸しトマトサルサ添え」濃厚なのにサッパリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
あっさり「ベーコンと玉ネギの和え物」は箸休めにうれしい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
新潟の伝統調味料がいい仕事する「タコとかんずりベーコン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「菜の花の昆布締め」染み込んだ出汁とほんのりした苦み
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、...
テンメンジャンを使った「マグロユッケ」甘めの優しい味わい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...