「イワシのうまみ焼き」味噌を加えてハラワタの苦味を堪能!

コクハク編集部
更新日:2020-08-03 06:00
投稿日:2020-08-03 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は宮崎市の板前料理店「福重」の福重浩さんに、イワシを丸ごと2匹使った「イワシのうまみ焼き」のレシピを教えていただきました。

「苦味もうま味」を実感

「魚はハラワタの苦味がうまいんですよ。それを知ってほしいんです」

 と、話すのは包丁一筋47年、魚という魚を知り尽くした福重さん。ハラワタ独特の臭みはなく、むしろ苦味が風味となり、味噌の香りとマッチしています。

「普通にハラワタを食べるより、苦味も抑えられているでしょ? みりんを入れて苦味を少し飛ばしているからです」

 イワシを丸ごと2匹使いますが、調理法はいたって簡単。包丁を使うのはウロコを引いて頭を落とすのと、ハラワタを叩いて身を一口大に切るところまでです。

「頭を取ったイワシの腹を割いてハラワタを指でかき出したら、そのまま手で開きにします。内臓はすべて使います。包丁を使わずに手開きの方が、骨が奇麗に取れる。ハラワタは少量の味噌と砂糖を混ぜて、フライパンで空いり。それをドロッとかけられるくらいの粘度に酒でのばす。ハラワタの脂があるので、油を使う必要はありません」

 福重さんはイワシを素焼きにしましたが、「揚げてもよし。サンマを使ってもおいしく作れます」とのこと。味噌は何でもいいですが、やはりここは福重さんも使用している合わせ味噌を使ってみたいですね。

【材料】

・イワシ       2匹
・味噌      大さじ1
・みりん     小さじ1
・砂糖     ひとつまみ
・酒         適量

【作り方】

 開いたイワシは一口大に切って、調味料などは一切つけずに素焼き。ハラワタは包丁でみじんに叩いて、味噌、みりん、砂糖と一緒にフライパンでいる。それを酒でのばして焼いたイワシにかける。

本日のダンツマ達人…福重浩さん

▽ふくしげ・ひろし
 宮崎県都城市出身。高校の調理科を卒業後、大阪から南は鹿児島まで、西日本を中心に修業。しかし、「どこに行っても宮崎の食材が頭をよぎっていた。結局、日向灘の魚にかなうものはなかった」と見定めて、帰郷。30歳で独立して「福重」を構える。 

▽福重
 日向灘で取れた新鮮な海の幸が自慢の板前料理店。メニューはなく、コース中心で、料理はその日の仕入れ状況次第。「だからこそ、海の食材は面白い」(福重さん)。予算に応じた注文も可能。プロ野球選手やプロゴルファーらにもファンが多い。宮崎県宮崎市千草町8―6。

(日刊ゲンダイ2017年8月22日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


コンビニで売っているもので作る「コンビーフらっきょう」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・六本木の「オステリア ナカムラ」の中村直行...
「牛モツのトマト煮込みの助六焼き」油揚げを使うアイデア
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のイタリアン「La coccola」...
「サトイモとひき肉の煮物」冷凍サトイモを使えば包丁いらず
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代官山の煮込みダイニング「Choi.S」の...
「山芋のたたきとホタテ大根」困ったときの簡単おつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の蕎麦居酒屋「のぶ庵」の三宅泰子さんに...
2020年バレンタインデー 2000円以下の“あげる人別チョコ”4選
 バレンタインをきっかけに美味しいチョコを見つけてみようと、たくさんのチョコレート店が集まるイベント、サロン・デュ・ショ...
canちゃん 2020-02-12 12:58 フード
「下仁田ねぎのソテー」焼き色がつくまではじぃ~っと我慢!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・東銀座のフレンチビストロ「イバイア」の深味...
シンプルな「ニンジンとレーズンのサラダ」酸味と甘みが絶妙
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代官山のイタリアン「ARMONICO」の佐...
「アサリとソーセージのシェリー風味」本格タパスに大変身!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のシェリー専門のスタンディングバー「バ...
蕎麦屋の楽しみをお家で「蕎麦味噌と季節の野菜スティック」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のガレット&国産クラフトシードルの専門...
コスパ抜群の「シシャモの煮付け」 ダシを吸わせると激変!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿ゴールデン街にある「ぱいんつりー」の村...
「カッレッティエラ」ショートパスタならおつまみ感アップ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
表面カリッで中はソフト「明太子焼きリゾット」は2度楽しい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
フライパンで作る!鍋焼きうどんを食べて心も体もぽっかぽか
 今回は寒い日におうちでゆっくり食べたい鍋焼きうどんをご紹介! みそ味で体が芯から温まります。外へ出かけるのもいいですが...
ぐっち夫婦 2020-02-02 06:00 フード
体に優しい!「長芋の塩麹漬け」は発酵食品のオンパレード
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「カマ焼きポン酢和え」コツは少し値が張るポン酢を使うこと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
「イノシシとチンゲン菜のエスニック炒め」豚バラ肉で代用も
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「赤坂 まるしげ」の与那覇朝雄...