炊飯ジャーでつくる「塩麹に漬けた柔らかローストポーク」

コクハク編集部
更新日:2020-05-08 06:00
投稿日:2020-05-08 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、炊飯ジャーでつくる「塩麹に漬けた柔らかローストポーク」のレシピを教えていただきました。

豚肉の概念が変わるかも!

 ひこま豚は北海道育ちで、道内最初のSPF認定農場で飼育されているブランド豚。生産者である道南アグロ(本社・森町)の日浅順一代表の頭文字「日(ひ)」と、農場が並ぶ駒ケ岳山麓の「駒(こま)」を取って名付けられました。

「きめ細かく軟らかなしっとりした肉質で、脂身には甘味がある。今回は、そんなひこま豚の特徴がよく分かるメニューにしました。味付けは、塩麹の塩分と発酵のうま味だけというシンプルなもの。一般的な豚肉でも応用できますが、この機会に、ぜひチャレンジしてほしいです」

 普通なら硬くなりやすい豚もも肉も、ゆっくり熱を加えれば軟らかく仕上がります。炊飯ジャーの保温は約70度前後で、肉の成分が硬くならない最適の温度なんだそう。

 フライパンでローストする時は火加減に要注意で、必ず中火にすること。アルミホイルで包んで休ませるのもポイントで、取り出した肉の水分が戻り、しっとり感が増します。

「付け合わせは、お好みの野菜を添えて。マスタードで味の変化も楽しんでほしいです。比較的安価な豚もも肉で、家計にも歯にも優しい一品(笑い)。きっと豚肉の概念が変わるはずですよ」

 合わせる酒は、すっきりした酸味とさわやかな香りがする辛口の白ワイン・ソーヴィニヨン・ブランがオススメです。発酵系の料理との相性もバッチリ。日本酒全般、本格焼酎(芋・麦)とお好みの飲み方で楽しめます。

【材料】

・SPF豚もも肉(ブロック) 300グラム
・塩麹(市販) 200グラム
※フリーザーパック 1枚

【レシピ】

1. 常温に戻した豚もも肉と塩麹をフリーザーパックに入れ、軽く揉む。
2. ボウルに水を張り、1を入れ、中の空気を抜いて、しっかり閉じる。
3. 炊飯ジャーに2を入れ、隠れるくらいまで熱湯を注ぎ、保温状態で90分間放置する。
4. 90分経ったら取り出し、クッキングペーパーで豚もも肉の塩麹を軽く拭き取る。熱したフライパンに油はひかず、脂身に焼き色をつける形で出た油で、肉の表面を軽くローストする。
5. 肉をアルミホイルに包み、15分間休ませて完成。

本日のダンツマ達人…西澤一暢さん

▽にしざわ・かずまさ
 1978年、北海道旭川市生まれ。中学卒業後、料理好きな父親の影響もあり、この世界に飛び込む。北海道内のホテルや飲食店で17年間修業し、料理長、店長を経て独立。2012年5月11日、全国から舌の肥えた人間が集まるすすきのに「澤」をオープンした。日本料理の専門調理師および調理技能士(厚生労働省認定)の資格を持つ。

▽さわ
 修業中の店で出合ってほれ込んだSPF(特定病原体不在)ポークのオリジナルブランド「ひこま豚」(北海道森町産)を使って、25種類の料理を提供している。同店ソムリエの三上健太さんが、地元の旬な魚介類や野菜を使った料理に合わせ、ワインや日本酒、焼酎を厳選して用意。“ひこま豚とまごころ料理”を看板に、来客の笑みがこぼれ、かつ末永く愛される店を目指している。札幌市中央区南三条西3―5―2 都ビル2階(地下鉄南北線すすきの駅徒歩2分)。

(日刊ゲンダイ2018年5月29日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「トマトとナスのラタトゥイユ」作り置きすれば何かと便利
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の創作居酒屋「じんから」の堅谷博さん...
シンプルだからこそ素材にはこだって作りたい「ウフマヨ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
醤油が効いたキレのよさ…かえしを使った「そば屋の焼き鳥」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の「そば処 築地長生庵」の松本憲明さん...
玉ねぎとチーズの食感が食欲を誘う「セルベル・ド・カニュ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のフレンチ「ガンゲット・ラ・シェーブル...
ぐっち家のド定番!ブロッコリーとクリチのごまおかか和え
 今回はぐっち夫婦が普段からよく作る「クリームチーズ」を使ったおつまみをご紹介します! クリームチーズというと、なんとな...
ぐっち夫婦 2019-11-17 20:32 フード
ひよこ豆の粉を使った「パジア」 おいしさの決め手は水加減
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
「蒜泥白肉」豚バラ肉にニンニクをたっぷり絡めてがっつりと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の...
酸味と辛味でお酒がすすむ「イカとレタスのチョレギサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
干し貝柱のうま味がたっぷり「簡単おいしいシューマイ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、干し...
カリカリ&トローリ…自分好みに作れちゃう「自家製厚揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
定番のお鍋だけじゃもったいない「春菊のナムルとおひたし」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「あげ納豆」うま味調味料のちょい足しでお店の味に大変身
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
「白魚の卵とじ」お出汁をたっぷり吸った白魚を卵と一緒に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
胃袋狙い撃ち!彼に作ってあげたいハンバーグでキーマカレー
「オトコの胃袋をつかんだら勝ち!」とはよく言ったものですが、実際に料理上手の女性は人気が高いですよね。だったら、善は急げ...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:03 フード
「豚のスペアリブのみそ漬け」お肉好きにはたまらない一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ 」の市川路朗さん...
表面のチーズが焦げたら食べ頃「トマトとツナのチーズ焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...