「トウモロコシのフリット」サクサクの衣の秘密はビール?

コクハク編集部
更新日:2020-06-11 06:00
投稿日:2020-06-11 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷店」の江口慶さんに、ビールを片手にかぶりつきたい「トウモロコシのフリット」のレシピを教えていただきました。

冷蔵庫で保存した1本で

 カニの足をうまく割って、身をガブリ。それと同じで、トウモロコシもかぶりつくのがおいしいですよね。でも、カニもトウモロコシも、まとめて食べたいと思うことありませんか。そんなぜいたくを形にしたのが、このおツマミです。

「僕がまさにそのクチでして。トウモロコシ好きにはたまりません」

 夏が旬のトウモロコシは茹でたてもよし、スープにしてもよし。居酒屋メニューでは、丸々としたかき揚げも定番です。このフリットの大きさは、名刺の3分の2ほど、板状で食べやすくなっています。

「トウモロコシはまとめて茹でて、冷蔵庫で保存しますよね。1本を2センチ幅で輪切りにしたら、包丁で粒の付け根をうまくそぐと、束で取れる。冷たいと、束で取りやすいのです」

 そう言われてみると、小さいころ、親が手で器用にトウモロコシの粒をピタッと並んだ状態で外していたことに感心したことを思い出しました。あれを板状に再現した形だったんですね。1枚を口に運ぶと、サクッと小気味いい音とともに甘さが広がります。フィッシュアンドチップスのフィッシュを揚げた衣の食感です。かき揚げとは違います。

「ビールに薄力粉を混ぜるんです」

 飲んでよし、調理のサポートにもよし。ビールのすごさに感心しつつ、皿に手が伸びるのでした。

【材料】

・トウモロコシ 1本
・薄力粉 大さじ2
・ビール 60㏄
・パセリ 適量
・パルメザンチーズ 適量
・サラダ油 適量

【レシピ】

1. 茹でおきしたトウモロコシを輪切りにして、身を板状にそぎ切る。
2. ボウルにビールを注いだら、薄力粉がダマにならないように混ぜ合わせる。
3. 2に1を浸して、衣をつける。
4. 180度のサラダ油で揚げる。箸で揚げ玉を落として、スッと上がってくるのが温度の目安。

本日のダンツマ達人…江口慶さん

▽えぐち・けい
 白金のフレンチ「オザワ」や渋谷のイタリアン「バッカーノ」などで腕を磨き、2007年11月に独立。現在は、メリプリンチペッサの渋谷店のほか、銀座店、豊洲店、西荻窪店の計4店舗を手掛けるほか、渋谷のパッチョオイスターバーを経営。5店舗を運営するビッグスマイルの社長兼料理長。

▽メリプリンチペッサ渋谷店
 牡蠣にチーズ、野菜、豚肉や牛肉など、食材はほとんどが広島の生産者から直送。石窯で焼く本格ピッツァが500円~と格安で、中でも世界一に輝いた広島・庄原の農吉モッツァレラを使用した、ピッツァD.O.Cは一日限定5食の人気メニュー。東京都渋谷区円山町22―11。

(日刊ゲンダイ2019年7月20日付記事を再編集)

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