豚の煮こごり「フロマージュドテット」で最高級のおもてなし

コクハク編集部
更新日:2020-07-23 06:00
投稿日:2020-07-23 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神田のビストロ「関山米穀店」のオーナーシェフ・関山真平さんに、赤ワインに合う「フロマージュドテット」のレシピを教えていただきました。

豚のすべての部位を味わう

 難しい名前ですが、簡単に言えば、豚の煮こごり。でも、関山さんの手にかかると、こんなに美しく仕上がります。材料を見て、ちょっと驚かれた方もいるかもしれません。こんな食材、手に入るんでしょうか?

「お肉屋さんに言っておけば、大丈夫です。豚足は骨を外して、あとの材料は手に入れば。野菜、ハーブ(タイム、ローリエ)と一緒に煮込むんです」

 ゼラチン質が溶け出してきたら、肉を取り出して適当な大きさにカットして戻します。バットに流して冷やせば、一晩で固まります。それだけです。

「ソースはレモンだけでも、オリーブオイルを振るだけでもいい」

 この料理には思い出があるそうです。

「フランスのロワール地方のワイナリーを巡っていたときに、ワイナリーのオーナーが作ってくれた。向こうのワイナリーは農家が多く、豚を飼っているんですね。来客があると、その豚を振る舞うのが最上級のもてなしとされているんです。ですから、豚は無駄なく使う。モモは生ハムにしたり、焼いたり。端っこの肉はこうやってテリーヌにするんです」

 最高のぜいたくです。

【材料】

豚足、豚耳、豚舌、豚の頬肉など適量 
タマネギ2個 
ニンジン1本 
セロリ1本 
ニンニク2片 
タイム4本 
ローリエ1枚 
水3.5リットル 
塩20グラム

【レシピ】

 全部を鍋に入れてアクを取りながら2時間茹でる。肉を取り出し、冷ました肉を5ミリ角にカット、煮汁はとろみがつくまで煮詰める。肉を煮汁に戻し、型に入れて、一晩冷やし固める。

本日のダンツマ達人…関山真平さん

▽せきやま・しんぺい
 いまや、予約が取れない名店として有名な関山米穀店のオーナーシェフ。米屋みたいな名前だが、ワインを飲ませる名店だ。店は10人くらいでいっぱいになる。カウンターの中はオープンキッチン。そこで1人で腕を振るう。鮮やかな手つきと手際の良さは見ているだけで楽しくなる。

▽関山米穀店
 祖父から続いた米屋を関山さんがレストランに。東京都千代田区神田小川町3―9。

(日刊ゲンダイ2017年7月14日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「ニンジンとレーズンのクミン風味」シンプルな素材と香り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
「ミニトマトのナムル」漬けダレがトマトの甘味を引き立てる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...
スイーツ系おつまみ「黒豆クリームチーズ」で正月の箸休め
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「さかなとお酒 うぉんたな」...
「とこぶしの唐揚げ」間接的に火を入れてうま味を逃がさない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
「大人のオムライス」鶏肉の中に焼き飯をたっぷり詰めて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は広島市・鷹野橋駅の鉄板料理店「こぱん亭」の鬼頭典...
「アミエビキムチ」うま味を引き出すのはひとつまみの砂糖
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の割烹「銀座魚勝」の柳橋克彦さんに、和...
「シメサバとイチジクの前菜」切って盛りつけるだけでお洒落
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「海苔の佃煮チンジャオロース」具と絡む濃厚なコクと照り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、意外...
赤提灯メニューを気軽に!「箱シューマイからのエビチリ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の小料理屋「きになる嫁デラックス」の...
「トンノ・エ・ファジョーリ」ツナ缶と白いんげん豆のサラダ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のイタリアン「トラットリア ブカ・...
「ザンギのアジアン風」パクチーの根っこを捨てずに活用して
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・池之端の創作ビストロ「Cise」の宮武郁弥...
うま味がジュワ~ッとにじみ出る「しじみ出汁巻き卵」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
「仔羊のカレー煮込み 温玉のせ」卵を崩すタイミングに悩む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
生もと系の酒にぴったり「腐乳拌魚生(マグロの腐乳和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「豚ひき肉とタケノコのレタス包み」パンチの効いた味と食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
みかんが香る「鯛のカルパッチョせとか風味のビネグレット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...