噛めばジュワッ!名店仕込み「カニと根三つ葉のだし巻き卵」

コクハク編集部
更新日:2020-10-24 06:00
投稿日:2020-10-24 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司さんに、だしの風味があふれる「カニと根三つ葉のだし巻き卵」のレシピを教えていただきました。

卵液を数回に分けて弱火で焼く

 これはちょっとハードルが高そうです。見るからに「プロの仕事」というたたずまい。こんなきれいにだし巻き卵を作れれば、晩酌の楽しみが増すのは間違いないのですが……。

「コツは卵液を4回から5回に分けて弱火で焼くことと、それを奥から手前に巻いていくことですが、まあ、こればっかりは、何度も作って慣れてもらうしかありません。でも、いいじゃないですか、少し焦がしたって。それはそれで香ばしい風味になるし、面倒だったら丸いフライパンに卵液をドバッと流し込んで、オムレツのようにしたっていいんです。味は変わりませんから」

 そうですよね、大将。出来栄えはともかく、ここは味を優先。噛めばジュワッとあふれる、だしの風味とカニのうま味。根三つ葉の独特な香りも、いいアクセントになっています。

「卵液をあえて薄味にしているので、カニカマを使っても十分にうま味と風味が出ます。カニの代わりに缶詰のツナを入れてもいいし、そこに海苔や刻みネギを加えてもいいですね。香りを出すんだったら、ゴマ油で焼くのもおすすめです」

【材料】

・カニのむき身 適量
・根三つ葉 適量

※卵液
 ・卵 3個
 ・だし 90㏄
 ・塩 少々
 ・薄口醤油 少々

【レシピ】

(1)卵液にカニのむき身と1センチ幅に切った根三つ葉を加える。
(2)四角い卵焼き用のフライパンにサラダ油を薄くひき、弱火で熱したら、卵液4分の1の量を流し込む。
(3)全体が半熟に固まりかけたら、奥から手前に卵を三つ折りに巻いていく。
(4)手前に寄せた卵を奥に滑らせ、油を薄くひき直す。
(5)空いたところに同量の卵液を流し込み、巻いた卵を持ち上げて、下にも卵液を流し、半熟に固まったら手前に向かって巻いていく。
(6)2~5を繰り返して完成。

本日のダンツマ達人…伊東純司さん

▽いとう・じゅんじ
 1968年、兵庫県神戸市生まれ。中学卒業後に16歳で神戸の老舗料亭「山三ツ輪」(閉店)で修業を始め、寿司職人に転じて関西で14年、関東で16年、有名店のツケ場に立って研さんを積んだ。2015年に独立。東西の寿司文化に精通し、各界著名人のファンも多い。

▽すしのぶ
 15年にオープン。料理は1万8000円(おつまみ8品、握り10カン、巻き物1本)のおまかせのみだが、事前に相談すれば柔軟に対応してくれる。自慢の穴子の握りは、ツメの代わりに10年物の奈良漬をのせ、それを海苔でクルッと巻く。伊東さんのセンスとアイデアがあふれた、店のスペシャリテだ。東京都中央区銀座8―7―20 belle銀座Ⅲ 5階。

(日刊ゲンダイ2018年11月3日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


沖縄気分を満喫! 2021.8.15(日)
 夏本番の暑さ、本来であれば南の島でリゾートを満喫したいですが、沖縄は緊急事態宣言中です。早く事態が落ち着くことを祈りつ...
職人の知恵! 市販の塩昆布で作る「白身魚の塩昆布和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「マグロの漬け」程よく漬かって新鮮味も失わないコツは?
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
ポリッと「キュウリのポン酢漬け」 夏だからこそおいしい!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
ネギトロと納豆と…「ばくだん」はトッピング次第で十人十色
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「イクラと明太子の真砂和え」意外にも“魚卵×魚卵”が合う!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・大手町の「鮨 今よし」の今井彦人さんに、...
「鶏の半身揚げ」低温調理でウマ味をギュッ!と閉じ込める
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
「サバ缶の味噌マヨグラタン」トースターで驚きの完成度!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
テッパン「夏アイス」5選! 2021.8.5(木)
 毎日うだるような暑さが続いてますが、夏バテしていませんか? 筆者は、もしクーラーのない時代に生まれていたら、ソッコー夏...
「水ダコの和風カルパッチョ」薬味たっぷりサラダ感覚で!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
最旨っ!ペヤング「獄激辛にんにく」実食 2021.8.3(火)
 まるか食品の「ペヤング獄激辛シリーズ」に新しい仲間が加わりました。その名も「獄激辛にんにくやきそば」! 夏だからね、に...
「アボカドの卵黄づけ」だし醤油に15分漬けて卵を落とすだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・高円寺の居酒屋「あんぽんたん」の村山正人...
「水なすのみょうが味噌かけ」味噌と砂糖のバランスがカギ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「鰹のミルフィーユ」10分漬け込むだけで濃厚な味わいに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「しらすと数の子の梅びしお和え」ご飯にもパスタに和えても
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...
「蒸し寿司の餡かけ」そばつゆの甘い餡としゃりの酸味が絶妙
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・新橋の寿司割烹「和肴房 なつ」の佐藤文彦...