「塩豚のポトフ」胃に染み渡る~!調味料いらずの洋風おでん

コクハク編集部
更新日:2022-04-05 06:00
投稿日:2022-04-05 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町のビストロ「ラ ブーシュリー グートン」の郷卓也さんに、白ワインによく合う「塩豚のポトフ」のレシピを教えていただきました。

じっくり煮込んだ豚肉の力強いうま味をご賞味あれ

 ポトフはフランスの家庭料理で、牛の塊肉と玉ネギ、にんじん、セロリなどの野菜をコトコト煮込んで作るのが定番ですが、今回はもちろん豚肉で。

「普段は店のメニューにはないですが、シェフ自身が食べたくなって、たまに出すことがありますね」

「醍醐味はじっくり軟らかく煮込んだ豚肉の力強いうま味。豚を塩漬けにすることが最大のポイントです。余分な水分が抜けて味と香りがぐっと増し、おいしいだしも取れるので、それで野菜を煮込めばほとんど調味料がいりません」

 確かに、豚肉のおいしさもさることながら、肉のうま味とほどよく塩けをまとった野菜の奥ゆかしい味わいは、じんわりと胃に染み渡ります。

 スープものにはお酒を合わせづらい印象があるが、ポトフはいわば洋風おでん。

「おでんで日本酒を飲む感覚で、あまり樽の効いていない冷涼な地域、例えばアルザスのリースリングなどがおススメです。マスタードをたっぷりつけて食べれば、白ワインとスムーズにつながります」

【材料】(4人分)

・塩漬け豚バラ肉(※) 800グラム
・玉ネギ 1個
・にんじん 2本
・大根 4分の1本
・かぶ 4個
・じゃがいも(メークイン) 2個
・白菜 8分の1個
・ブロッコリー、きのこ(好みのもの。今回はしめじとひらたけ) 各適量
・ベーコン(塊) 60グラム
・にんにく 4片
・ローリエ 2枚
・タイム 4本
・塩、こしょう、マスタード 各適量

【塩豚の作り方】

 豚バラ塊肉1キロに対して塩12グラム、黒こしょう2グラムをまぶしてよく揉み込み、ラップに包んでひと晩おく。

【レシピ】

(1)玉ネギは半分に切り、にんじんは皮をむいて横半分に切る。大根は皮をむき、2センチ厚の輪切りにする。かぶは皮をむき、じゃがいもは皮をむいて半分に切る。ブロッコリーは小房に分ける。

(2)鍋に塩豚を入れ、かぶるくらいの水を加えて火にかける。沸騰したらアクをとり、玉ネギ、にんじん、大根、ベーコン、にんにく、ローリエ、タイムを加えてふたをし、弱火で煮る。

(3)野菜にある程度火が通ったら、かぶとじゃがいもを加えてさらに煮る。

(4)最後にブロッコリー、白菜、きのこを加え、味をみて塩、こしょうをし、ふたをしてさっと煮込む。

(5)皿に盛り、マスタードを添える。

本日のダンツマ達人…郷卓也さん

▽郷卓也(ごう・たくや)
 1982年、東京都出身。高校卒業後、洋食店での勤務をきっかけにフランス料理を志し、20歳のときにフランスで2週間食べ歩く。帰国後、東京・丸の内「ブラッスリーオザミ」のオープニングスタッフとして入社。3年間の修業後、渡仏して2年間修業。帰国後、六本木「ブーケ・ド・フランス」で研さんを積み、恵比寿「ル ビストロ」のシェフを経て、2015年に人形町に「ラ ブーシュリー グートン」をオープン。

▽ラ ブーシュリー グートン
 店名の「ブーシュリー」は「肉屋」、「グートン」は「食べる」を意味するフランス語。古代種豚の中ヨークシャーのほか、交配種のLYB豚、希少な満州豚や国産のマンガリッツァ豚など、常時3~4種類の豚肉料理が楽しめるビストロ。ワインはすべてフランス産で、ワインのセレクトとサービスを担当するマネジャーの藤田一さんの軽妙なトークも楽しい。

東京都中央区日本橋富沢町10-15 勢州屋本店ビル1階

(日刊ゲンダイ2020年2月15日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


テンメンジャンを使った「マグロユッケ」甘めの優しい味わい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
「新玉ネギの和風ビネグレットサラダ」煮切り醤油でコク出し
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のビストロ「スリジィエ」の山本延年さん...
ポテサラ風に食べる「おからサラダ」はヘルシーおつまみ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
「キュウリとミョウガのシードル漬物」これはオトナの浅漬け
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
豆腐でエスニック!?何度でも作りたくなるヘルシーサラダ♡
 今回はおうちで簡単に作ることができるエスニックサラダをご紹介! 豆腐を使っているのでヘルシーに仕上がっているのもうれし...
ぐっち夫婦 2020-04-25 18:02 フード
春を感じる上品な濃厚さ「蛤と菜の花と大麦のヴァポーレ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
スイーツ好き店主が作る華やかな「ガナッシュタルト仕立て」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
「レンコンくわ焼き」皆が大好きな人気メニューを組み合わせ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、紅し...
「里芋のエビあんかけ」宝石箱のイメージで盛り付けて♪
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
アンチョビー感覚で「サバのへしことブロッコリーの炒め」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「菜の花のゴマクミン和え」スパイスふりかけがアクセント
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
「ホタテ貝柱のフリット」ブロッコリーとの黄金の組み合わせ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「焼き油揚げとエノキの中華和え」歯ざわりも楽しめる一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
「鶏レバーの玉ネギソース炒め」レバーが苦手な人でも大丈夫
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
「鯛の竜田揚げ」お酒好きの店主が考案した理想のおつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
未経験の食感にびっくり!「レーズンバター」をおウチで作る
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...